私には大好きな友人がいる。その友人は高校の同級生で唯一今も連絡をとっている人だ。彼女といえばピュアで健気だ。私はそんな彼女は少しそれらが度を過ぎているのではないかと思うこともあるが、やはりそれが彼女の魅力なのだと思う。

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彼女のピュアさの話をしよう。

思い浮かぶのは高校の体育の授業での「ムダ毛事件」。高校の体育の授業中、女子同士で、きっかけは分からないが腕のムダ毛具合をチェックするような状況になった。その時例の友人はとてもすべすべしている腕をしていた。私は「すべすべだね。剃ってるの?」と彼女に聞いた。そうしたら彼女は顔を真っ赤にして、ぷいとそっぽを向いてしまった。ちょっと気にしすぎやしないかと私は思ったが、今となっては面白い思い出だ。

他にもこんなエピソードがある。私は兄がいて、従兄弟達は男なので、男性は大体エロ本とかAVに興味があると思っていた。そのことを彼女に言ったところ、「それはあなたの周りだけそうなんだよ」。そして、別の日「私はエロ本とか見ない人と付き合いたいな」と言っていた。私は少し自分の心が汚れているなと思ったが、その友人も少女漫画のような世界で生きているような気もした。彼女は純真なのだろう。もっともこれはまだ二十歳くらいの時の話なので、今は彼女はもっと違う考えなのかもしれない。

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彼女の健気さは、私が彼女を尊敬している一番の理由だ。私はナメクジみたいに醜くなってしまったら生きていけないと思っていた。それで友人に「ナメクジになっちゃったら、どうする?」と聞いた。すると彼女は「這って何か食べるものを探す」と答えた。私はとても感動した。なんてしっかりと生きているのだ。私だったら自分の醜さに絶望して自殺してしまうかもしれないのに、しっかり今生きていこうとしている彼女の姿勢はとても素晴らしいと思った。私も見習いたいと思った。

実際の行動でも彼女は健気で、人生を投げだそうとはしていなかった。彼女は浪人をして志望大学ではない大学で学生生活を送っていたが、そのことに悲観しつつも今をいつも生きていた。私はいつも現実を無視してどこか逃げた思考になっているのに彼女はいつも現実を直視して受け入れ、淡々と全力で生きていた。

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友人との思い出はたくさんある。その友情の歴史を思い返すと、最初は微妙な距離があって、たぶん高校を卒業したら縁が切れるなと思っていたことが思い出される。会話が続かなくて気まずい沈黙が頻繁にあった。それが徐々に緊張が解け、高校を卒業した時には親友になっていた。彼女は私の人生の大切なものの一つになった。

もしかしたら、この先、生き方がお互い違いすぎて、親交がなくなってしまうかもしれない。私は一生友達というのは儚い約束だと思う。けれど、私は彼女と青春時代を共にできたことを幸せに思う。

彼女は私の命綱だった。彼女がいなかった人生は色がない人生だったと思う。

ありがとう友人。私はあなたが友達でよかった。あなたとの思い出は私の宝です。