私の名前は"友紀"で、我が家の第一子は、おじいちゃんがつける決まりだった。だから、私はおじいちゃんがつけてくれた名前。ちなみに弟は父がつけた。

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私のおじいちゃんは、幼稚園の迎えにきてくれたし、カルタや囲碁でよく遊んだし、時代劇も一緒に見たし、スーパーでお菓子を買ってくれたし、オモチャをたくさん買ってくれて、写真を撮るのが好きでいつもカメラを持ってよく撮ってくれた。
なんかいつも地区のリーダーみたいな活動をしていたし、賢かったし、たくさん本を読んでた。いつも温厚だったのにまだ小さい弟がおじいちゃんの読んでいた本を破いた時に声を荒げた姿を見たのは一回きりだったけど、その衝撃的な出来事は忘れられない。
高校生の時に亡くなってしまったけれど、名前に感謝する度におじいちゃんを思い出す。

私の名前の由来は、
「友達に沢山恵まれるように」で、
紀は、母方の祖母の字から取ったって言われた。
名前の通り、友達にはいつも恵まれているし、人に出会うたびにそれぞれ色んな関わり方や個性を知ることが出来て幸せでやっぱり助けられている。

おじいちゃんの本棚に赤ちゃんの名前についての本が置いてあって、画数についても色々考えてくれたって後で知った。 
本の中に丸がつけられていた古風な名前を見た時は流石にこの名前だったらどうしよう…って焦ったけど、友紀になった事にホッとした。
「この画数が完璧だ」って言ってつけてくれたらしい。だから、この名前がすごく大切。

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私は、人の名前の由来を聞くのが好きで、理由があろうとなかろうとそれぞれのエピソードだから面白い。
私に名前の由来を聞かれたことがある人はそういう事。
そういえば、アメリカに旅した時に話したバス停のおっちゃんらに名前の由来を聞かれた時があった。
違う国で生まれた人も名前の由来を大切にしてるのかな。
日本人は漢字や平仮名があるからより個人が際立って良いなって思う。

最近、「名前って生まれてからずっと一緒にいることばですから」って人に言われた出来事があって本当にそうだなって思った。
おじいちゃん。この名前つけてくれてありがとう。