子供の時よりも大人になってからの方が、我慢が苦手になった気がする。理由はきっと、自分1人でできることが増えたから。自分の力で環境を変えることができるし、欲しいものを手に入れることもできる。「自分の力でできる」という事実が、私の我慢する力をどんどん奪っていったと思う。我慢する力を失っていくとともに、行動力がアップした。我慢しないですぐ行動に移すことが私の癖になっていた。

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以前にボーッとテレビを観ていたら「行動力がある人は心理学的にはメンタルが弱い人になります。そういう人は我慢が出来なくて行動を起こすからです。行動力が無い人は、我慢してその場にいれるという面で忍耐強いという意味でもあるのです」なんてことを言っている専門家が映った。
その場で「私のことです!!」って挙手したくなるほどに、自分に当てはまっている。耐えられない、我慢できない、だからすぐに行動に移す。そんな私のメンタルの弱さがまさに、顕著に現れたのはつい先日のことだった。

“もしかして私、仕事がうまくいっていないかも”。目を逸らしてきたけど、転職して約3ヶ月の時に、自分の中でついに認めてしまった瞬間があった。企画会議で自分の企画が全然通らないのだ。「まあ次には」「まだ始めたばかりだし」「今度こそ」そんな日々を繰り返していて、ある日突然“これじゃ私、この会社にいる価値がない”って思ってしまった。

仕事がうまくいっていないことがあんまり無かった人生だったから、どうしたら良いのか分からない。この場所が自分に合っていないのなら転職でもしようかともよぎったけど、なんせこの間入社したばかりなのだからその判断は時期尚早過ぎる。慣れるまで頑張ろう、そりゃはじめからうまくいくわけない…色んな目線で思考を巡らせて、何度も気を紛らわそうとした。だけど企画会議の日が近づくたびに憂鬱になるし、企画が通らないたびに落ち込む自分がいる。また自分を慰めて気持ちを紛らわして…でもある日、爆発した。もうこんな自分に我慢できない!!!

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そうなった私が何をしたかというと、“悩み 解決方法”とまずはググった。Googleが答えを出してくれるとは思わないけど、ヒントは絶対にくれるから。そして上位に出てきた「悩みを解決に導くワーク」なるものを3時間かけてiPadに打ち込んだ。こういうことをググる人はきっとたくさんいるけれど、このワークを実際にやっている人は少ないだろうと思う。
自分の悩みに対して解決に導く方法を考えたり、その方法を行動に変換して細かい目標を立てたり、ネガティブな思考を客観的に見て整理したり…。3時間夢中でやった。そのワークを終えた時、頭がスッキリして前を向いている自分がいた。

上手く出来ていない事実も満足できない自分の気持ちも、全て認めて受け入れた上で、この現実が続くことが私には我慢できない。こんな日々はあまりにもしんどいし、このままではどんどん自分に自信がなくなっていってしまう。我慢しているだけでは、自分に対して否定的になっていくだけだ。
だから私はすぐに行動に移す。あの時ワークをやったこともそうだし、最近は絶賛ワークで決めた行動リストを実践している毎日だ。すぐには結果も出ないし、行動中だって辛いは辛い。でも、ただ何も考えずに起きた現実だけを受け入れて、改善された未来が来るまで我慢していることの方がずっと辛いのだ。

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「メンタルが弱い」と言われたって別に構わない。きちんと考えて行動に移すことで自分に少し自信が持てるし、耐えることが正解だとは思えないから。「石の上にも三年」なんていうけど、そんなのしんどすぎるし辛すぎる。気に入らない石の上にボーッとしてはいられないし、私は動いていたいのだ。ワークで立てた行動リストをある程度続けても結果が出ないのならばきっと私はまた場所を変えるだろう。そうやって自分が満足する現実をなるべく早く手に入れたい。
そういう私の思考と性格が吉と出るか凶と出るか、それは未だに私にも分からない。けれど私にとって「我慢は不向きで悪」ということは分かっている。