私史上最悪の一日は、新卒時の就職活動での最終面接だった。
あの日が、私の人生を大きく左右したと言っても過言ではない。

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ずっとずーっと、幼稚園の頃から憧れていた職業だった。
そんな「長年の夢を遂に実現できる日が来た」と、私は既に大きな期待を抱え自負していた。

そして、最終面接から3日後に届いた、お祈りメール。
そのメールの最後に綴られた「不採用」の3文字に、私の心は粉々に砕けたのが「社会人」としての始まりだった。

第一志望の不採用から本格的に始まった私の就職活動。
新卒時は第一志望では無かったけれど、ご縁があって採用をいただけた同業職に就くことになった。

仕事が始まると、「思っていたより悪くないかも…」と、すぐに職場に打ち解けた。
それなりのやりがいを持って、毎日楽しく働けていた。
半年経ったとある日、代わり映えのない仕事内容に飽き性な私は、流し見していた求人の中のある一つのベンチャー企業に目が留まった。
募集要項を読んでみるとますます、その企業のことが気になり、気が付いたら履歴書を書き始めていた。

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新卒時の就職活動より燃えた私の転職活動は、今でもあのドキドキ・ワクワクした気持ちが忘れられないほどだ。
初めての仕事に就いて半年で、もともと本気で転職するつもりなどはなく、なんとなくの直感で受けたベンチャー企業の面接だった。

実際に会社に訪問して話を伺ったり、当日社内見学をさせてもらったり、社長と会うと、私の心は一気に惹きつけられた。今の職場に辞めるの「や」の字も伝えていないのにも関わらず、「来月からここで働きます‼︎」と社長に宣言していた。

今冷静に考えると、あの新卒時の最終面接でのアンラッキーな日が、私の人生を変えたのだった。そして宣言通り月末には仕事を辞め、翌月から新しいベンチャー企業での研修が始まった。

営業職での入社だったため、会社情報と社訓を叩き込まれるとすぐに実践業務が始まった。
私の配属先の営業部は、商材が時期ごとにコロコロ変わるような、フレキシブルな営業部だった。

1番最初はテレアポだったため、ロールプレイと数をこなすにつれて、契約に結び付くことが出来た。
日々、顧客も含めて色んな人と話すことのできる部署だったため、私にとって毎日生き甲斐を感じられる、まさに天職だった。また、上司や社長との距離も近く、困ったことがあるとすぐに何でも相談に乗ってもらえる、心強い人間関係もそこにはあった。

もし、新卒で希望通りの道に就いていたら絶対に出来なかった経験を、上司・社長がいつも前向きに仕事に挑戦させてくれた。

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そんな素敵な会社に2年勤め、私は結婚を機に退職した。

望んでの退職では無かったけれど、「結婚」か、「仕事」か、と選択肢を迫られた時に、私は「結婚」を優先したのだった。
今が、またある意味仕事面で「アンラッキーな日」だとしたら、私の「人生を変えた日」が次にやって来るのだと自分に言い聞かせる。