専業主婦になり早1年、毎日が休日のような1日を過ごしているが、そんな私の理想のオフの過ごし方は現状とは真逆で、刺激を求めるオフなのだ。
◎ ◎
旅行に出かける時と同じような感覚で、普段のオフの日は日帰りの外出だとしても、旅行と同じくらいパワーを使うことが好き。
匂いでその土地の空気を胸いっぱいに吸い込み、高鳴る鼓動を落ち着かせて目を閉じて心を耳を澄ませてみる。
そして、目を開けると見えるいつもと違う風景に、目に見えるもの全てに手を伸ばして触れてみる。
その地の珍しい食べ物を味わい、飲み物で喉と心まで潤す。
普段の生活では気にも留めないような、一つひとつの細かいことが気になるようになる。
そうして五感を研ぎ澄ませて、心とカラダの全てをフル活用するオフにこそ、「私は今、生きているんだ。」と、実感できる。
そしてその生き甲斐がまた、時には「次のオフのために、もう一踏ん張り‼︎」と、生きる活力にも繋がる。
◎ ◎
大学生の頃は、時間が余るほどあったから、毎週末のオフはサイクリングに出かけた。
部活仲間と出かけることもあれば、親しい友と二人きりの時もあったり、独りでサイクリングに行くことも珍しくはなかった。
並走して話しながらダラダラ仲間と走る田舎道も、独りでただひたすら漕ぐ自転車も、どちらもそれぞれの良さがあっていい。
走ることが大好きな私にとって、ものすごい勢いで移り変わる風景やカラダ前面で風を斬る爽快感に、サイクリングの楽しさをすぐに見出した。
どんなストレスフルな1週間も、この五感で楽しめるサイクリングができるオフの時間さえあれば、私はどんな困難も乗り越えていけた。
また、どんなに身体が悲鳴をあげて疲れていたとしても、オフの日はアクティブに動くことで、私のパワーは再びチャージされたのだ。
◎ ◎
そんな懐かしい想い出ばかりの学生時代とは程遠い今。
ゆったり、のんびりと、愛する旦那と共に過ごすオフも悪くないのだけれど、今ひとつ刺激が足りないオフ。
彼が乗り気になれば、週末の当日に思い付きのロードトリップをする。
自転車から自動車に変わったオフ。
自転車より自動車の方が、確かに快適で安全かも知れない。
しかしその引き換えに、私はスリルを失った。
カラダで感じる風、鼻から胸いっぱいに広がる匂い、目で捉えられる景色、外部から聞こえてくる音、触れられる自然。
全ての刺激が全て、私が心とカラダで感じられることが限られてしまうようになった。
そんな日々が日常になった今改めて、私は、「五感を研ぎ澄ませて、心とカラダの全てをフル活用するオフ」が恋しくて恋しくてたまらない。
どこにもぶつけようの無いこの心のわだかまりが、オフの日の私の心を狂わせる。
「五感を研ぎ澄ませて、心とカラダの全てをフル活用するオフ」に何をしたいかと尋ねられたら、私は速攻で「サイクリング‼︎」と返事をするだろう。