私が一目惚れしたのは、ハリウッドスターたちです。
それも、おじさまたち。

あとはレオナルドディカプリオ様も。
彼らのことを好きになってかれこれ10年。

『アルマゲドン』という作品を英語の授業か何かで見て、その映画のスケールの大きさとブルースウィリス様にやられてしまいました。

まずはブルースウィリス様の作品を見て、その後スケールが大きい作品ということで『タイタニック』を見たところレオ様に惹かれ、『仮面の男』と『キャッチミーイフユーキャン』をみて、ジェレミーアイアン様の『ライオ・・・以下省略。

要するに、おじさまたちの作品を追うという生活を10年続けています。

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TSUTAYAまで行ってわざわざレンタルしていたからサブスクは最高。科学の進歩に感謝。
だけど、私にとって(当時にはなかった言葉だけど)、”推し”ができて嬉しいとか、毎日が充実したとかそういう感覚はありませんでした。

小学校高学年以降、周りの友人はジャニーズが好きとか女性アイドルグループが好きとか、漫画とかアニメが好きとか、そういう、何かしらのファンになり、そしてそれらがキャラのひとつになって、アイデンティティを確立していたように思います。
部活もクラスも違うし、小学校も違うし家も遠いような子達が”推し”を通じてつながっていくことが羨ましくて、焦っていました。

英語が人よりできた私は、”洋楽ファン”でいこうと思ったけれど、少しでも話が繋がるレディーガガさんやジャスティンビーバーさんにはハマらず、ビートルズとクイーンが好きで(と言ってもいろんな曲を知っているわけではなく、特定の曲が好きだっただけです)、なんとなく、言いづらかったです。

どこにも属せない、しかも自分のキャラが立てられない、好きなものが見つからない、地に足がつかなくてとっつきにくい面白くないヤツ、だと思われているような気がしてならなかったし、何より自分がそう思っていました。

とはいえ、毎年毎年たくさんのバンドやアーティストやアイドルグループやドラマが流行って、見聞きしてみたけれど、私は依然として何も好きになれませんでした。

これなら好きになれるかもしれない、こっちの系統なら好きになれるかもしれない、と、無理に自分をプッシュしてみたけど、だめでした。

人の好きなものを好きになれないなんて、自分は本当に大丈夫なのか自分で自分が心配にもなったし、なんとも言えない不安を常に感じるようになりました。

今なら、”無趣味なんだよねー!教えて教えて!”ってできるし、むしろ、”何もない人”、っていうキャラを立てられるけど、当時はなんとなく恥ずかしくてできませんでした。

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 だけど、初めてあの洋画を見た日から、私の目に見えるクラスや友達が変わりました。
  ”なんだ、私は日本の作品と合ってないだけじゃん”と、素直に、ストンと、そう思いました。

別に日本の作品を蔑んでるわけではないです。

初めて、”人と違う”方向へ進もうと思った日は、夏休み直前のあの日の英語の授業でした。
人目が気になってしょうがない私のアイデンティティ作りを後押ししてくれたのは、一目惚れしたハリウッドスターのおじさまたちです。

“推し” の話を振られても、”う〜ん、特にないんだよね”とだけ答えてみんなの話を聞くだけにしました。

別にわざわざ発表しようという気にもならなかったし、不思議と、おじさま好きキャラを立てようという気にもなりませんでした。

私にとって、何かのファンになれるというのは、キャラのためではなかったようです。

アイデンティティと自分と周りへの余裕の一歩だったようです。

  何のファンなのかわからない友達もいるな、と一歩引いてクラスのことも見れるようにもなりました。

その後も、そして今になっても、好きなものは好きでいいんだということ、みんなが好きなものを好きになれないことを恥じることはなくなり、流行りに乗るのをやめました。
  夏はアジアのとある国の民族衣装を一張羅にしていますし、流行メイクはしたことありません。私の顔に合いませんでした。

オシャレな人たちを見かけるとちょっと落ち着かないけど、けど、やっぱり自分の好きなコトやモノの方が、ずっとずっと幸せです。

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ちなみに最近のアイデンティティは、人によって使い分けてます。

洋画好きだけど大好きなおんなじ作品ばっかり見るタイプの洋画好きです、詳しくないけどクイーンが好きなんですよね、ディズニー映画で育ちました、ゴツいおじさんが好きなんです!、などなど。

まあ何にせよ、私はおじさまたちに一目惚れして、心がラクになりましたよという話でした。

どなたか、おじさま好きいらっしゃいませんかね?よければオススメな作品やおじさま教えてください!