実はこの夏、推しに会えることが決定している。しかも2人も。

1人は、大好きなアニメ「Free!」で、わたしの推し桐嶋郁弥役を演じる、声優の内山昂輝。多分、桐嶋郁弥が好きなのではなくて、内山昂輝の声だから好き。
もう1人は、小学2年生から追い続けている、遊助。生まれて初めて好きになった、テレビの中の人。こんなにずっと追い続けることになるとは思わなかった。

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この2人に会いに行く。…というか、ただイベントやツアーに行くだけだけど。でも、推しと同じ空間で、同じ時間を過ごせる。オタクは、それだけで充分である。

推しのイベントやツアーへの参戦が決まると、気にし始めること。それは、「わたしは胸を張って、この人のファンだと言えるのか」。それは、グッズをたくさん持っているとか、イベントに全部参加しているとか、そういうことではない。街中での、普段のマナーについてのお話し。

今回は、遊助のファン(通称crew)を例に上げてみようと思う。実はcrewは、民度が高いと言われている。ツアーの日は会場に向かう電車や周辺のカフェが黄色に染まるが、マナーを守れない人は一切いない。今はマナーを守れないファンが1人でもいると、「今日は〇〇のライブだから、〇〇色のファンがいっぱいいる。迷惑」とSNSに書かれてしまう時代。そんなの遊助が見たら悲しむもん。
コロナ前に名古屋で参戦した時には、ツイッターで「今日は〇〇線にマナーの良い黄色いファンがたくさんいる。調べてみたらセンチュリーで遊助のライブ。遊助ファンはしっかりしてる」というような投稿を見た。crewでよかったと思った。

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ただ、それは当日の話で、crewだからといって毎日黄色い服を着てるわけではないし、普段からバッグにグッズがついてるわけでもない。それに正直わたしは、最低限のマナーやモラル、言葉遣いや所作は、両親に厳しく教え込まれているから、おそらく元から問題はない。
それでも、いつでもどこでも胸を張って「わたしはcrewである」と言えるように、最低限以上のマナーを心掛ける。普段は当たり前のように守るマナーも、推しを背負っていると思うと、快感である。

好ましくない行いがあると、社会で「最近の若い子は」「最近のおじさんおばさんは」とまとめられてしまうのと同じように、「〇〇のファンは」とまとめられてしまう。そうすると他のファンに迷惑がかかるし、本人のイメージも落ちてしまう。

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オタクは、年に数回会えるその日のために毎日働いて、ほしい服よりグッズを優先して買って、メイクや髪にもこだわって、当日を迎える。それだけのお金と時間をかけられるくらい大好きな人が悪く言われるなんて耐えられない。

去年、3年ぶりに遊助のライブに参戦した。crewは相変わらずあたたかくて、周辺でのマナーが素晴らしくて、わたしは改めて決意した。またここで彼に会える日まで、crewであることを勝手に背負い生きていこう、と。そして今年もまた、黄色い夏がやってくる。

わたしは、あなたのファンです。