忘れられないデート…なんて言葉を見ると、今恋人のいない私にとってなんだか余計キラキラしたものに見えてしまうのが、なんだか寂しい。これまで付き合ってきた人たちと何度もデートというものをしてきたはずなのに、急にぼやぼやして見えてくるのは現在進行形で比較対象になり得る恋人がいないからなのかぁ！！とまたループしてしまった。

だが、そんな私は超がつくほどの思い出主義者なので、別れたとしても、一回きりだったとしても、写真を消すことがほとんどない。それゆえに、スマホのカメラロールさえ見れば、いつでもあの頃やあの日々、あの日のデートの記憶に誘われてしまうというわけだ。ああ、なんて思い出マゾ…というのは置いといて。

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書いていて気づいたが、デートの定義ってなんだ？無意識のうちに、デートと呼ばれるものは恋人とするものという概念が生まれていたことに怯えてしまった。もちろん恋人とどこかへお出かけすることがデートなのは間違いではないが、お互いそれかどちらかが、今からデートと思っていればそれはデートなんじゃないか。

恋愛対象者、またはその可能性を秘めている相手と、同じ時間を共有することなんじゃないかな。そう思うとデートの幅も広がってくるし、明日私が初めて会うアプリの男の人との食事も、デートになるだろう。アプリで一回会って、もうそれきり…みたいな人と過ごした時間のことも意外と忘れなかったりするものだ。（相手がイケメンであればあるほど）

そもそも最強に幸せなデートもあれば、最強に切ないデートもある。私はどちらも思い出せるが、今回は幸せなデートシリーズでいきたい。幸せなデートは、思い出すだけでにやけてしまうようなもの。でも今はもうどれもが過去になってしまったことで…とすぐになる。やっぱり思い出マゾは生きづらい。

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そんな私はやっぱりドライブデートが最強だと思う。車内は本当に二人だけの空間だし、誰にも邪魔されない。強いて言うならカーナビくらい。あの時はどんなだっけな、確か二人でご飯を食べに出かけて、帰り車に乗ろうとしたら土砂降りで、車まで二人で走って、車に乗り込んで、濡れたお互いを見て笑って、雨に隠れてキスをした。それがたぶん二人が付き合う前の初めてのキスだったな。

うわー懐かしい…となってしまう。土砂降りと車の中の静けさの対比のエモさにいつも私は盛り上がっていたりする。でも確かその人と別れる最後のデートの日も雨で、最後車から降りる前にキスをしたのも芋づる式に思い出されてしまう。うわあ、幸せなデートよりも私にとって最強なデートは切なくて辛いデートなのかもしれない。あと車内で思い出が強いのは、一緒に寝たこと。後ろが寝転べる仕様になっている大きな車だと、お昼寝できたりする。

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お家で一緒に寝るよりも、狭い空間で密着していると、なんだかこの世界はすべて二人で構成されているような気分にもなって、どんどん沼に落ちていったりする。相手の体温、呼吸、心臓の音、そのすべてに触れられているような気がする。空気が甘いというのを一番実感するのは車内だと思う。

私の中で幸せを感じるのは、ああ、私愛されてるなって思うとき。そして、愛されてると感じるのは、物理的に密着されているとき。だって、わかりやすくてあったかいんだもん。帰り際、車から降りる前に名残惜しそうに抱きしめられるのも好き。その全てを内包している新しい彼氏が欲しものだ。あと理想のデートなら、最近ワイルドスピードを見た影響か、カーチェイスしている彼氏の助手席に座ってみたい。かっこいい運転さばきを隣で見たら惚れるかも、映画の中でしか叶わないけども。あ、でもやっぱり怖いな。