夏とはいったいいつからいつまでのことを指すのか。半袖を着出したらもう夏のようなきもするが、先にはまだ梅雨も控えている。でも店先に行けば、もう夏服しか売っていないし、夏を実感する頃にはもうヒグラシの鳴き声が聞こえている。
私にとって今年の夏は『はじめての夏』だ。もちろん生まれて20数年、これまで暑い夏は何度も経験してきた。しかし、今年はひと味違う。なんてったって、はじめての土地、東京で過ごす夏だからだ。
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これまでいくつか拠点を移してきたが、夏であることに特別意味を感じたり、何かをしたりすることはなかった。しかし地元でなければ、もう多く足を運ぶことのない土地。後になって経験できたと後悔することも少なくない。
東京も同じく、出生地でも、実家がある土地でもない。今後のことはわからないが、一度離れてしまえばわざわざイベントのために足を運ぶこともないだろう。だからこそ、現地にいる今年の夏を楽しみたいと思うのだ。
さて、では夏らしいこととは何か。BBQやビアガーデンなども楽しみたいが、それは東京でなくてもできる。東京だからできる夏イベントとなれば、やはり地元で毎年開催されている縁日や花火大会などではないだろうか。
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コロナがやっと終息に向かう今年。数年ぶりのイベント開催となるものも多く、カップルや家族連れははじめて過ごせる夏の風物詩なのかもしれない。私自身、この数年そういったイベントに参加するチャンスがなかったからこそ、今年は参加したいと意気込んでいるわけだが、ここで一つ問題が発生する。そう、誰と行くかだ。
ルームシェアをしている友人は人混みが苦手でこういった催しには参加しないし、仲の良い友人は彼氏や旦那さんと行くだろうから、あまり気を遣わせるような発言は控えたい。全体で2・3番人気のイベントを狙って声を掛ければ良いかもしれないが、折角私のアクティブ欲が高まっているのに、1番人気のイベントを避けるのは勿体無いと思ってしまう。
こうなると私が今最初にすべきなのは『人探し』なのだ。
花火大会や縁日のボリュームは7月後半から8月前半。そこまでの間に条件に該当する友人を見つけるのが私のミッションだ。とはいえ、20代後半かつ久しぶりのイベント。相手探しはきっと困難を極めるだろう。
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こんなときにレンタルで何もしない某方などが重宝されるのだなと思うし、頼りたくなってしまうがまだ6月上旬。きっと今から探しても遅くないと思う。当日までを逆算して、今日から行動する。当日までは今日が一番時間があるのだから、少しでも確率は上がったはずだ。
イベントに行けるとなれば、浴衣を新調したいし、それに見合う自分にもなりたい。おしゃれのために自分磨きをする時間は自己満足と言われたって、一番楽しい時間になる。
仕事で追われる毎日では出会えないワクワクが、今少し生まれた気がする。今年の夏はきっと楽しい思い出になる、そんな予感を胸に、まずはメッセージアプリを開いてみることにしようと思う。