金曜日の夕方、こんな天気のいい日は早めに仕事を上がってしまおう。今日はいつもより早くランチに出たから少しお腹が空いた。
梅雨の晴れ間、気温もちょうど良くて風が心地いい。
夕方のまだ明るい時間帯は帰宅ラッシュに揉まれずに済むから、この時間帯にのんびり帰るのが好きだ。

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帰り道歩きながら、昨日友達が言っていたことを思い出していた。
話したいことがたくさんあって、気づいたら私たちは３時間もノンストップで喋りつづけていた。
それぞれ東京にある会社に新卒で入り4年目、いろいろ考えるようになった。将来の目標や不安、今大変なことなどを話している時に友達がこんなことを言った。
私はある程度周りと同じタイミングで結婚したり子どもを産んだりしたい、そうじゃないといつか周りと共感することができなくなるから。私はひとりでやりたいことだけにひた走れるほど強くないと。
でも今の年功序列が根強い会社にはずっといられないから転職も考えたい。仕事とキャリアの両立に苦労している先輩たちを見ていると、未来の自分が同じようになることを想像して怖くなるんだと。
最後に彼女はこう言っていた。私、クォーターライフクライシスに入っちゃったみたい。

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私たちは、まさに人生に悩み迷走する時期に差し掛かっているらしい。
私は必ずしもそれが幸福感が下がることだとは思っていなくて、むしろ漠然とした不安や焦燥感を抱えることで、自分とも他人とも向き合うためのプロセスが必要だと考えている。
彼女は悩んでいることさえも人生の楽しみとして捉えていたけれど、実際は考えることや選択肢が多いあまり、もうなるようになれと思っているようにも見えた。

キャリアは？結婚は？子どもを産んだ後も同じ働き方を続ける？
同期はもう昇進している。クビにはなっていないけど、評価されているかもわからない。新卒で入社してもう3年、私はどこに向かっているんだろうか。

スクロールするたび結婚式と可愛い子どもの写真が並ぶ、ストーリーは仕事や上司の愚痴が増えて、なんだかみんな社会人になったと実感する。結婚して遠くに引っ越した友達とはしばらく会えていない。東京で仕事をしていると時々、仕事や子育てを頑張っている友達がなんだか遠くに行ってしまったような感覚になる。大学生のときはみんな同じだったのに。

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みんな変わりたいと言うけれど、私は人の人生のステージや環境が変わっていく状況を目の当たりにして不安を感じていた。
私は今、向いているかはわからないけど憧れていた業界で良い同僚に囲まれて働けている。休日も彼氏や友達と過ごす時間が楽しくて、今がずっと変わらないでいてほしいとさえ思う。夜中に電話したり、仕事中にサボってSNSを見たりすることで周りとの繋がりを感じていたい。
ずっと同じ場所で同じ人と過ごすのは、頑張らなくて良いから居心地が良い。でもどこかのタイミングで変化がないと、徐々に周りと共感する機会が減ってしまうという怖さもある。

人は皆この経験を乗り越えてきたんだろうか。時間が過ぎ去れば自然と解決される悩みなのかな。誰かに答えてほしいと思いつつも、自分なりの考えや価値観みたいのを確立してから決断していきたいと意地にもなってしまう。

金曜日、私は早く帰って空いた時間でエッセイを書きながら、自分が直面しているクォーターライフクライシスに気づいてしまったのだと思う。