私の思い出に残るデートは、私が中学生3年生の頃に遡る。初めての彼氏だった。出席番号が同じだった私達は席替えしても、隣の席になったり前後だったり不思議と近くなることが多かった。

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隣にいる時はそんなに会話したことなかったのに、友達伝えでメールのアドレスを教え、やりとりが始まった。メールの回数が少しずつ増えた。ガラケーだったあの頃は、メールの送受信に時間がかかるため、メールが来てないか確かめるためにセンター問い合わせ機能を使い、「メール:1件」の文字に心躍らせていた。

彼とのやりとりが純粋に楽しかった。そうしたある日、彼から『好きだよ。付き合ってください。』とメールで告白された。返事はもちろん「お願いします。」だった。

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それから数ヶ月後、12月のクリスマスにデートすることになった。高校受験を控えていた私たちにとってどちらも口にしないが、最後のデートになるであろうことを自覚していた。

雪の降らないところに住んでいる私たちは、クリスマスのイベントで降雪ショーがあることにワクワクしていた。今思えば、人工の雪だったがそんなことは私たちには関係なく、「雪だ!雪だ〜」とはしゃぎ楽しんでいた。イルミネーション、花火、雪に思いっきり楽しんだ。

名残惜しさも残しつつ私たちは帰りのバスに乗った。途中で眠たくなったわたしはウトウトしていた。完全には眠っていないが、目を閉じて今日の楽しかった思い出を振り返っていた。あぁ〜もう着いちゃうな。もう少し寝たふりしておこう。そう決めて、「もう着いたよ。」と終バスに着いた彼が私の肩をトントンして起こす。目を開けようとした瞬間、目の前に気配を感じた。その瞬間、唇が温かくなった。彼がキスしていたのだ。

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私にとってのファーストキスだった。ドキドキ心臓がうるさくなるのを感じる。何秒経ったか分からない。薄ら目を開けたわたしは何事もなかったかのように起きて「もう着いたんだね。」と彼に言った。彼も何事もなかったかのように振る舞う。

「またね」。と言って彼と別れる。それから春になって、私も彼も志望校に合格した。高校が別々だった私たちはいつの日かすれ違うようになりドキドキしていた恋に終わりを告げた。彼は、あの時のキスをわたしが覚えていることを知らない。私だけの秘密だ。

最近、その彼が結婚したことを知る。
甘酸っぱい思い出をくれた彼、心から結婚おめでとう。