美容整形との距離感、このお題を見て最近妹から聞いた印象的なエピソードを思い出した。まずはそのエピソードから。
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妹はとある脱毛サロンのカウンセラーとして働いている。美容系サロンということもあり働く人たちの美しさについては会社でもとても厳しく決まりがあるようだった。妹も就職してすぐにメイク講座のような時間があり、仕事で使えるようなアイシャドウなどを買ってきていた。
そんな環境だから働いている方々の美意識はとても高くなるようだ。しかも最近よく聞くダーマペンなども施術の一つとしてメニューがあるらしく、そこの練習という意味でスタッフが無料で受けることができたりするらしい。美容に関してもとても身近なのだ。
ある日、仕事のお昼休みに妹の職場の先輩から、「〇〇さんの目って天然?」と聞かれてそうだ。
妹は「ん?天然ってなんのこと?あ、視力矯正のことかな?」と思ったらしく「コンタクトしてます。」と元気に答えたらしい。すると先輩に笑いながら「二重のことだよ〜。」と言われたらしい。
このエピソードは家族の間では天然妹のトンチンカンエピソードとして笑って聞いていた。
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このエピソードは美容整形との距離感が違う人同士だからこそ起こった話だと思う。
私も「あなたの目は天然?」とだけ聞かれてこれが二重整形のことだとはつながらない気がする。妹の同僚の方々とは距離感が違うのだ。
私が美容整形というものを知ったのは、幼い頃にテレビで放送していた“ビューティーコロシアム”がきっかけだ。
あの番組では整形をするために応募者が一念発起して番組に出演する。さらに過去について話し、本当に美容整形をするかどうか周りの見守り人のような人達と最終決定を行う。この番組から私は美容整形を受けるにはかなり高い壁があるようなイメージを持っていた。
そこから特に友人にも美容整形を受ける人もいなかったためそのイメージはなんだかんだ変わらず、「なんとなく大変なもの」という認識を無意識のうちにしているのだと思う。
妹の同僚は私と同年代だが、彼女たちと私の環境が違ったためこのような距離感の差が出ているのだと想像する。
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美容に普段から接している彼女たちは私よりも圧倒的に美容に関する情報に触れる機会が多いのだろう。まずは美容皮膚科のような施術から様々な施術に対して寛容になっていくのではないだろうか。
また、私の得ている情報が偏っていたのだとも言える。
きっと私の親は整形をすると言ったら絶対に反対するだろうし、「なんでそんなことをするの?」と言われるだろう。
そしてもしかしたら今の小学生はメイクの上位互換くらいの認識だったりするかもしれない。
それぞれの環境で価値観や距離感が変わる。ここには男女差もありそうだ。
そしてこの絶妙な距離感のズレが良くも悪くも作用している。最近の整形は簡単にできるとはいえリスクが全く無いものは無い。いろんな価値観があるから「整形顔だ!」と非難される人がいて衝突が起こるし、「綺麗になるためには整形をするべきだ」という偏った意見が一般ではないというバランスが取れているのだろう。
美容整形との距離感が近い、遠いは人それぞれで良いと思う。ただ多くの情報が飛び交う現代で適切な情報をキャッチして正しく距離感を測るのが今とても求められるのではないかと思う。