髪の毛をオレンジに染めた。

フルーツのオレンジじゃなくて、少し赤っぽい、黄昏時のような色。

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ブリーチはせずにダブルカラーで染めあげたオレンジ色の髪は、美容師が言うには「髪の毛強いね!思ったより色入んなかった」らしいけど、職場ではみんなわざわざ立ち止まって、私の髪色を褒めてくれた。

「綺麗なオレンジだね」「似合ってるよ」
「かわいい」
男性が8割を占めている職場なのに、褒めてくれたのは全員女性。

「すごい色だね」「前の方が良かった」と言うのは大体男性。
入社してから1度も明るく染めたことがなかった髪の毛を、オレンジに染めることはそれなりの勇気が必要だった。

周りを驚かせないように、事前に「明日、髪の毛オレンジにしてくるね」と予告したほどだ。

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理由は分からない。
大好きなYouTuberが「髪の毛を明るくすると、自分最強!って思えるから」と言っていたのをみたからかもしれないし、自分の親より年上の上司に「オバサン!」と冗談で言われたからかもしれないし、夏が近いから気分転換で染めてみたかっただけかもしれない。

もしくは、推しのメンカラがオレンジだったからなのか。
自分でもよく分からなかった。
美容室から帰ってきた奇抜な髪色をした私を「よく見せて!綺麗だね、似合うよ」と夫はいつものように褒めてくれた。

私は最強なのだ。

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女性社員にセクハラ発言する上司に「やめてください」と、女性社員の代わりに言うと、「嫉妬か!」と笑われた。

いつもなら庇うこともしないけどオレンジ色の髪をした私は違った。

「めちゃくちゃ不愉快です。それに帰ったら、自分より年下の夫が家で待っているのに、オジさんに嫉妬するわけないでしょ」って、オレンジの髪した私は言った。

髪染めて、良かった。