美容室に行って、髪の毛をきれいにしてもらう。その予定が週末にあったら、私は友達と遊びに行く予定があるのと同じくらい、ワクワクして仕事を頑張れる。美容室は女性の気分を最高にあげてくれる場所だと思う。

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私は小さい頃は美容室が好きではなかった。親がショートカットが絶対に似合うからと、美容室に行くと毎回髪の毛を短くされてわかめちゃんみたいになるのが本当に嫌だった。せっかく伸びてきた髪の毛を切られてしまうあの悲しさは今でも思い出す。

美容室が嫌すぎて毎回暗い顔していた私に美容師さんが理想の髪型を絵に描くことを提案してくれて、そこに理想の髪型を描いたら「これはもう少し長くないとできないからね。こうしてみようか。」と言われて恥ずかしくて悲しくなった記憶もある。あの時は真摯に向き合ってくれたのに文句ばかりで本当にごめんなさいという気持ちだ。

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美容室が好きになったのは、高校生の時だったと思う。高校生にもなれば親に髪型をいちいち決められることはなく、自由な髪型にできた。剛毛で癖毛の私はこの時初めて縮毛矯正をかけた。それが、私の髪生(、つまり髪の人生、)がキラキラに変わるきっかけだった。

綺麗に縮毛をかけてもらった髪の毛はまっすぐで、さらさらで、一気にお姉さん風になってすごく嬉しかった。嬉しかったからしばらく友達と積極的に写真を撮っていた記憶がある。あの時付き合ってくれた友達ありがとう。

大学生になる時も大きな変化があった。それが髪を染めることだ。ビビりな私は似合うかわからず結構暗めに染めたのだけど、色が抜けやすい髪質だったのかめちゃめちゃ明るくなった。

もう茶髪通り過ぎちゃってるんじゃない?って感じだったけどそれが周りからのウケが良く、あー、私って茶髪似合うんだなーって新たな気づきがあった。茶髪にするとお洋服の幅も広がってますます自分を着飾ることが楽しくなっていった。

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それから色々やってみて、自分に似合うスタイルを確立しつつある。だから高校生や大学生の頃ほどのパーンとした変化はないと思っていた。

だが、つい1ヶ月ほど前。いつものカットの終わりに前髪を切ってもらう時、ずいぶん伸びていたのでとりあえず長さを見るためになんとなくまっすぐ切ってもらった。いつもはそのままシースルーのような感じに仕上げていくのだけど、そのまっすぐの前髪を見て「ん?これ意外といけるのでは?」となった。

美容師さんも「なんかいいね。」となった。そのままそれ以上の手は入れず、人生初レベルの前髪ぱっつん。私は丸顔で目が大きめのため幼くなりすぎて似合わないと決めつけていたが、なんだかそれが逆にマッチしてて良い。ここ最近の前髪で1番気に入っていて、この綺麗な前髪をキープするために自分で髪を切る用の鋏まで購入した。

1ヶ月くらい、まだぱっつんの前髪をキープしてる。私の美意識がまた一段階上がった。前髪をぱっつんにするとカジュアルが似合うようになるなぁとそれは当たり前なのだが意外とモノトーン系も似合うことが判明。洋服の幅がむしろ広がり、そこについても美意識が上がった。思わぬ髪型の変化がここ1ヶ月私をワクワクさせてくれる。

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これから歳をとって似合う髪型も変わっていって、何度も何度も「これ良いじゃん!」に出会える予感がしている。髪型を変えるという魔法がこの先も楽しい髪生を作ってくれそうだ。