この夏、人生初のベリーショートになった。だいたいいつも肩の下まであった髪をばっさり切って、隠れていた首元を全開。家族、職場、友人、ほぼ全方位からおおむね好評。毎晩のドライヤーがびっくりするほど楽になった。何だったんだろう、今までの労力は。
でも、髪型を変えたからといって、100%良いことばかりではなかった。今朝も私は鏡の前で、1枚の服を体に当ててしかめっ面をしている。
そう、ベリーショートにしたら、私のクローゼットの大部分を占めている、あるジャンルの洋服が微妙に似合わなくなっちゃったのだ…。
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私は癖毛なので、髪をばっさり切るには縮毛矯正が必要だった。縮毛なしで短くすると、広がってボワボワになってしまう。美容師さんからは、「縮毛かけたら、ベリーショート独特のふんわりした丸いラインはなくなりますよ」と前もって忠告されていた。
「人生で1回くらいはベリーショートになりたい」という憧れで頭がいっぱいだった私は、「それでもいいんでお願いします!」と頼んでいざ縮毛をかけてもらったのだが、施術後にその言葉の意味を実感。ぱっと見は分からないのだが、よーく目を凝らすと毛先がつんつんしていて柔らかさに欠けているのだ。
インスタで美容師さんのアカウントが上げているような、ふわっとしたベリーショートとは微妙に違うシルエットに仕上がっている。ベリーショートって大人のお姉さんの象徴みたいなイメージだったんだけど、悲しいことに私の場合は少年のような髪に仕上がってしまったのだ。
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首から上が少年になったら、花柄のワンピースが微妙に似合わなくなった。私はワンピースが大好きで、何着も持っている。白地に黄色い花柄のワンピース、赤地に白い花がちりばめられたワンピース、青地に白と水色の花がわっと咲き誇っているワンピース。別に意識しているわけではないのだが、私のクローゼットの中では一年中沢山のワンピースがカラフルな花畑を作っている。
唯一しっくり来たのが、母と共用で着ている、ノースリの黒いワンピースだった。この服を着ると、なぜか私のベリショは少年の髪ではなくお姉さんの髪に見えなくもないのだ。
何でそんなふわふわした派手な服ばっかり好きなの、シンプルな服が何だかんだ一番いいんだからね。いつも右から左に流していた母の言葉が、髪を切って初めて身にしみた。今年で23歳。服、メイク、そして髪型。似合うもの、似合わないものがちょっとずつ変わっていくのを肌で感じる。
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毎年1枚は必ず買っている、花柄のワンピース。いつか買わない時が来るんだろうか。
ひと月ほど前にベリーショートにした私の髪は、早くも毛先が伸びてシルエットが若干変わりつつある。このまま伸ばすか、ベリーショートをキープするか。それはまだ未定。
元の長さまで伸びたら、母曰く「ふわふわした派手な服」を着てもおかしくない風貌に戻るのだろうか。髪が伸びても花柄のワンピースがミスマッチなままだったらちょっとショックな気もするが、その時はその時でまた新しい服のジャンルを開拓しようと思う。