「週に5日、毎日8時間、そんなにも働きたくない!」と思った私の夢は、「不労所得を増やして労働時間を削減する」というもの。12歳児の頃は、なりたい職業や、目指したい業界を夢として語っていた。しかし22歳児の今は、目指したい働き方を夢として語っている。

私は今、通信制の大学に通いながら業務委託の仕事をいくつか受け持っている。大学の学費は、自分の給料から払っているし、生活費も自分の給料から払っている。学費の支払いに給料が追い付かなくて留年が確定してしまったこともあったけど、今は大学院に向けての貯金もできている。

今では留年のことを笑って話せるけれど、大学と仕事の両立は正直しんどかった。当時は、業務委託の仕事と塾講師のアルバイトを掛け持ちしていた。学ぶために、お金を稼いでいるのに、お金を稼ぐための時間が、学習時間を圧迫する。学問的な探求の時間は失われ、単位を取るための勉強になってしまう。学問に費やす時間を優先的に確保すると、お金が足りなくて学費が払えなくなる。そんなもどかしさを感じていた。

◎          ◎

時間を作るために私は投資を始めることにした。もともとポイント投資をしていたので、本格的な投資を始める敷居は低かった。コロナショック時に、貯めていたポイントを全額投資に回すことで、かなりの金額が手に入った。ポイントをすぐに買い物で使うよりも、投資に回してから使うほうがお得だということを経験した。この経験から、現金も使う前に投資で増やしてから使ったほうがお得だと思ったのだ。

塾の夏期講習バイトを1コマ目からラストまで詰め込んで、夏休み期間に元手となるお金を貯めた。

日本株は100株単位なので、選択肢からは外され、FXはレバレッジをかけて取引できるほどの自信がなかったので選択肢から外された。色々と悩んだ結果、分配金を目的とした米国高配当ETFと、資産形成を目的とした全世界株の積立投資に使うことにした。

しばらくして、業務委託の仕事を増やしてもらえることになった。労働時間も増えるが、給料も増えた。私は、学費と生活費を除いた残りの額を投資に回した。すると、私の生活は少し変わった。投資での利益が思っていたよりも大きかった。米国高配当ETFの年に4回もらえる分配金は生活費の足しになったし、株価も上がり資産としてプラスになっていた。積立投資は分配金がでないけれど、着実に増えていく利益が私に安心感を与えてくれた。

自分が労働した給料にプラスして投資の利益が手に入るようになった。学問に時間を使いたかった私は、ブラック気味だった塾講師のアルバイトを辞めた。結果、私が労働に費やす時間はあまり変化していないが、手に入る金額はかなり増えた。おかげで、学問的探究をする時間を作れたし、貯金をすることもできた。

◎          ◎

時は流れて、2023年3月。米国の銀行の経営破綻のニュースで、株価が暴落した。ニュースを見るたびに、チャートを見るたびに、私は不安になった。現金至上主義の人たちからは、「やっぱり現金のほうが安全だ」と言われていた。

色々悩んではいたが、積立投資はNISA枠を使っていたので、20年間は手放すつもりも積み立てをやめるつもりもなかった。米国株に関しても、「様子を見つつ、株価が落ち切って、少し上がったタイミングで買うと儲かりそう」という結論に至り、手放さずタイミングを見て買い足すことにした。

結果、2023年夏の時点で、私の資産はかなりプラスになっている。私自身の仕事は、コロナ禍で需要が増えた動画編集の仕事が軌道にのり、収入も安定してきた。在宅ワークなので通勤時間などもなく、時間を節約できている。私は、「不労所得を増やして労働時間を削減する」という夢をかなえるために、これからも、無理のない範囲で働き、無理のない範囲で投資をしていこうと思う。