ちょうどこの4年で変わったことがひとつある。それは、マイカーを持ったこと!
まさか自分がこんなに日常的に車に乗っているなんて、以前のわたしは予想だにしなかった。乗るとしても、子供ができる頃くらいに、必要に駆られてかな〜と思っていた。それが今では、月に大体1,000kmくらい走るし、長い時だと1日8時間くらい運転していた日もある。日本のいろんな道を走って、「冒険だ〜」とひとりはしゃいでいる。車必須の場所に引っ越したので、日常でもたくさん乗る。車なしの生活が考えられない、というところまで来た。
祖父母が全員亡くなったのが車に乗り始める1年前だったので、彼らはわたしが今こんなふうにSUVをブイブイ乗りこなしているなんて想像もつかないだろうな、と考えてたまに愉快な気持ちになる。最初はわたしの車に同乗したがらなかった両親も、今ではすっかりわたしにハンドルを任せるようになった。
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マイカーを持つまで、自分のことを圧倒的に電車派だと思っていた。子供の頃から自分を知らないところに連れて行ってくれる電車が好きで、逆に車は少し退屈な乗り物だと思っていた。
きっかけは仕事の都合で初めて地方暮らしをしたこと。暮らし始めてから1年経ったタイミングで、友人が乗らなくなった車を譲ってくれた。最初はおっかなびっくり出かけていたけれど、だんだんと慣れてくると、あまりにも自由にどこへでも行けるものだから、電車派からくるりと掌を返すように「車っていいな〜!」とすっかり思うようになっていた。最終的には「乗り物全般が好きなんだな」という結論に至っているが、奇しくもそれがコロナ禍と重なったことで、みんなが自粛と言って移動を避ける中でも自家用車でいろいろな場所に行きまくることができ、車の存在がどれほど助けになったかわからない。
車のいいところはいろいろあるけれど、大きな2つを挙げるとするなら、まず1つ目に、自分だけの秘密基地ができたような気分になれること。家とはまた違う、移動式の自分だけの空間。自分好みのものを置いて、好きな音楽をかけて、考え事をするのにもぴったりだ。
もうひとつは、他の乗り物と違って、自分の力で、陸続きで、ここまで来たのだ、という実感ができること。初めての場所でも不思議と心細くなくて、どこでも行けるぞ!という気持ちになる。他の乗り物に乗っている時と違って、ずっと前を見ていないといけないから、どの景色も結果として見逃さない、見逃せないのもいいなあと思う。
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車に乗るようになって、自分の行動パターンや、出会うものごとがそれまでとだいぶ変わったと思う。車に乗らなかったら知らなかった景色や、行かなかった場所がたくさんある!そう考えるとすごく濃い4年間だった。
わたしをいろんな場所に連れ出してくれた1台目は、雪国に引っ越したことで四駆へと乗り換えるため引退し、今は2台目の相棒とさまざまな場所に出かけている。次はどんなところに行こうか、まだまだ楽しみは尽きない。