自粛生活を余儀なくされたコロナ禍で、私は特にその被害を被ることはなかったように思う。上京や大学生活と時期が被ってしまったが、祖父母の家を間借りしていたし、働かなくても全く問題なかった。苦痛だったのはとにかく暇だったことだろうか。

そんな暇に飽き飽きして、私はとうとうNetflixに手を出した。当時、音楽アプリにも課金していなかった私にとっては初めてのサブスクリプション契約である。なぜ数多くあるサブスクの中でNetflixだったのかは、嵐のドキュメンタリーが独占配信されていたからだ。コロナ禍が本格的になる前から配信はされていたのだが、サブスクにお金を払うことに大して抵抗があったため、熱狂的ファンでありながらもそれには手を出していなかった。自粛が加速してどこにも行けなくなったタイミングで私にとってNetflixはうってつけだった。

しかしすぐに途方に暮れる。なんせ大好きな嵐のドキュメンタリーだ。一週間と経たずに見切ってしまい、月額約800円の高さを痛感した。まずい、このままではたった一週間のために800円を支払うことになってしまう。

焦った私は、大して興味の無いおすすめ作品を流し流し閲覧していった。洋画はそもそも好きじゃないし、邦画は感情移入できないし、アニメは長いし……、と悩みつつ見ていった私の目に飛び込んできたのが「同級生」というアニメ映画である。これが大きな出会いだった。

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「同級生」は中村明日美子先生のBL漫画をアニメ化したもので、公開は2016年。結構前のものだ。
作品名も作者すら知らなかった私だが、絵を見て惹かれた。手描きのようなタッチでアンニュイな雰囲気を醸し出している。Netflixの紹介あらすじは至ってシンプルで、要は「性格が真逆の男子高校生の恋」的なうんたらかんたら。
軽い気持ちで見た私は衝撃を受ける。なぜなら、それまで私はボーイズラブなるものをどこか敬遠していたのがアホらしく思えるほど、繊細でリアルな恋模様にBLというジャンルすらも忘れてしまったからだ。BLなんて一言では表せない、純情の物語だった。

そこから私はズブズブとBLの沼にハマっていく。同級生の原作漫画をすべて買った。ついでに言うと中村明日美子先生の作品をすべて買った。そして電子書籍でBL漫画を買い漁り、今では100冊を越えている。あれだけサブスクに課金したくなかった自分が信じられない。

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よく友人に「BLの何がいいの?」と聞かれる。私もコロナ禍前まではそっち側の人間だったので気持ちはよくわかる。しかしこればっかりは説明のしようがない。私自身、BLをめてくれた人の説明ではなく、実際に見て沼に落ちたので「見ればわかる」が精一杯の答えだ。

コロナ禍でBLという衝撃の出会いを遂げた私は、SNSで密かにBL垢を作り創作に勤しんでいる。人間、いつどんな出会いがあるかわからない。まさか将来BLにどハマりして自家発電する腐女子になっているとは、コロナ前の私は信じられないだろう。
ちなみに、未だにNetflixは契約を続けているが、BL作品を見るならU-NEXTかAmazonプライムがおすすめである。BLに興味のない人も暇を極めたときでいいので、是非チャレンジして見てみてほしい。きっと新たな出会いがあるだろう。