今の私が29歳。4年前が25歳。正直たくさん、そして大きく変わったような気もする。
実際に環境は大きく変わった。例えば、新卒の仕事を辞めた。1人暮らしを始めた。新しい仕事についた。新しい友人ができ、趣味もできた。
4年前の私は想像がつかない暮らしを現在、していると思う。
その中でも、大きく人生を変えた1つは、このエッセイを書くこと。
定期的にエッセイを書いては、ここに提示することは私の中で大きな変化だと思う。
自分が仕事を辞めたことや感染症対策もあって、家にいることが多くなった時期に、家でできる趣味を探していた。
元々文章を書くことは好きだったから小説を書いていたが、「エッセイ」と出会わせてくれたのはこの『かがみよかがみ』だった。そうして、気付いたことは「私は案外エッセイを書くことが好きなのかもしれない」ということだった。
自分の中にため込まれた言葉たちを少しずつ文字起こししながら、自分自身と向き合ったり、世間について考えてみたり、とても有意義な時間を過ごせるのだということがわかった。
もちろん、小説も好きで物語を1から作り出していく楽しみもある。こちらも続けていきたいと思う。一方で、向いていると感じるのはエッセイだった。
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人間は考える葦だといつかの哲学者は言ったが、私も物事を考えるのが好きだ。それが人間の生き方とすら思うほどに。けれど、その考えをアウトプットしたことはあまりなかった。ましてや誰かの目に触れる場所に提示することなどなかった。
それが今はどうだろうか。『かがみよかがみ』の募集テーマに合わせて何かを考えるのが好きで、考えたことを書いては提出して、読んでもらって、運が良ければ配信していただいて。それが日常になっている。
4年前の私に言ってもきっと信じてもらえないと思う。臆病で、怖がりの私だったから。
言葉が好きだと言いながら、言葉を一番恐れていたのは自分だった。
人間が使う言葉の中には時として強い刺激を持つものもある。それを浴びてしまったらどうしよう。逆に、誰かを強く刺激してしまったらどうしよう。そう考えて上手く言葉にできない時期もあった。
それが丁度4年くらい前だろうか。それから様々な環境の変化を経験してきて、たくたんの言葉と出会い、傷つき、打ちのめされ、辛いと感じ、それでも勇気を出して言葉を大切に使っていきたいと表明するようになった。苦しい言葉もあったけれど、それと同時にやさしくて、あたたかい言葉もたくさんいただくことがあったからだ。
この4年間で変わったことと言えば、たくさんのやさしい言葉を得て、自らの言葉を発信できるようになったことだろうか。その場を提供してくださっている1つがこの『かがみよかがみ』だ。
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傍から見たら、ズタボロの人生のように見えただろう。再発、休職、退職、ギリギリの生活、でも、それでも自分の言葉を愛して提示することができるということは私にとって大きな変化であり、人生を変えるようなできごとだった。
この場で、言葉を紡ぐことができることが当たり前ではないことを噛みしめながら、心から感謝したい。そして、やっぱり私は言葉が好きだと言いたい。
4年で変わったこともありつつ、結局は言葉好きなところは一生変わらないのかもしれない。