4年前、令和が始まった2019年の頃は地元から離れたところで働きながら社員寮で一人暮らしをしていた。当時は社会人3年目だったから、仕事をすることにも家でひとりでいることにも慣れてきていた記憶がある。また、プライベートでは社会人サークルに入っていてそこでは社外の人間関係も築いていた。
4年前に一人暮らしをしていた頃は、仕事をする以外のプライベートでは自分の事だけを考えれば良かった。人の力を借りずに一人で家事を全て行うのは大変だったが、自分のことだけ考えれば良かったからクオリティはさておき、マイペースに生活出来ていた。
また、この頃は転職について考えたこともなく、その日その日をなんとなく乗り越えていた。仕事への不満は大きくなく、その先も同じ会社で同じ仕事を続けていくことしか考えたことがなかった。それに、地元から遠くて帰省の頻度が高くなくても正直寂しさはほどんど感じていなかった。
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社会人4年目を迎えようという時期に、新型コロナウィルスが流行り始め、世の中の様子が大きく変わった。元々地元へそれほど頻繁には帰省していなかったが、この頃はますます県外に出かけるのも難しくなっていた。当時は感染者の行動履歴が詳細に報道されていたため、「もし県外へ出かけてコロナウィルスをもらって感染したならエライことになる」という認識を強く持っていた。
このあたりから、地元に帰省できない期間が長く続いた。その期間は1年にも満たなかったが、当時は外出規制の終わりが見えなかったため、不便さを感じたりしんどい思いをしたりしていた。ひとり時間を楽しんだことはあったしマイナスばかりではないが、そのような世の中に戻りたいかというとそうでもない。
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地元の家族や友人に会えない間に「地元の職場への転職をせずにここで働き続けること」「このままこの地で骨をうずめるため生活基盤を整えていくこと」について段々と考えるようになり、転職への意欲が膨らんでいった。
転職欲が膨らんだ時に家族に「仕事を辞めたい」「地元に戻りたい」と愚痴をこぼした。それに対して思いのほか賛同を得てしまった。家族の後押しの強さと私の気持ちが高ぶった勢いでダメもとで就職試験を受けたところ、思いがけず合格してしまい、予想より早く次の進路が決まってしまった。
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転職を決めてから2年経った今は、8割がた「これからも地元で働き続ける」つもりである。これは私の生活の安定だけではなく、家族の安心のためでもある。今は引っ越しに伴い実家に戻ったが、遠くない未来には近場でまた一人暮らしをするつもりである。
そうして仕事環境が整ってからは考えることが増えた。この先異動希望を出さずに今の職場での仕事を全うするか、実家を出るか出ないか、結婚するかしないか、結婚した後に子供をどうするか…正直言うと、今後一生独身を貫く覚悟はない。親や兄弟が今のまま居続ける保証はないため、独身を貫いた場合はどこかでひとりになるだろう。それに耐えながら生活し続けられる自信はない。
将来結婚はしたいと思う。これは家族を喜ばせるためではなく私の願望である。今の仕事でなら自分だけでも食べていけるので、相手のお金目当てではない。また、面食いでもないためイケメンと一緒になりたい訳でもない。
私のタイプは「物腰が柔らかい人」「棘がなく攻撃してこない人」である。正直私がそれを満たしてる自信はないが、そういう人が好きである。攻撃的な対応をされたときには落ち込むが、柔らかい優しさがある人に恵まれるとその人を好きになるし、私もそのような人になりたいと強く思う。今後の人生はそういう人を幸せにして、私も一緒に幸せになるために使いたいから、叶えるためにやれることをやりたいと思う。