この4年間は、世の中にとって大きな転機を迎えただろう。オリンピックが日本で開催されたり、「令和」という新しい時代が始まったり。まさに、時代を跨ぐ瞬間を、自分が迎えられるとは思ってもみなかったから良い経験をしたと思う。

それから、コロナが大流行した。

平成から令和に切り替わる瞬間は、家の近くの行きつけの飲み屋で、カウンターに座って、遠すぎず近すぎず、知り合いとしっぽりお酒を飲んだ。私が初めてボトルキープを入れた日でもある。

オリンピックの開催や令和という新時代が、直接的に私にとって何か大きく変化することは無かったけれど。私も、20代の真ん中から後半。なんとなく、若いだけが取り柄じゃ世の中に通用しないような、これからに対する不安と焦りを持っていた。

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周りの友達は次々と結婚していく。オリンピック婚や元年婚という、節目に合わせた結婚に私も憧れていて、「私も元年婚したい~」とよく言っていた。だけど、“節目プロポーズ”さえされること無く過ぎていった。

そして、コロナが大流行。私の生活もコロナで一変した。

コロナを切っ掛けに、長くお付き合いしていた彼とは別れることになった。当時は接客業の仕事をしていて、大打撃でお客さんは激減り。東京に住んでいたけど、都会の方がコロナに感染する確率は高まるからと、仕事の兼ね合いもあって、東京から逃げて田舎に移り住んだ。

そこで、ひょんなことからお付き合いをすることになった彼から、お付き合いと同時にプロポーズを貰ったのだ。テレビで耳にしたことがあるような、交際0日婚というやつ。喉から手が出るほど欲しかった、プロポーズがコロナのお陰で自分に降ってきたんだ。

それが、ちょうど4年前だろうか。あの時は、緊急事態宣言中で街が真っ暗で静まり返っていた。あの光景はもう二度と見ることはないんじゃないか。

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それが結局、その彼には婚約破棄され、私は東京の住んでいた家を解約していたため、地元の実家に帰ることになった。天国から地獄へ叩き付けられた。婚約破棄をされたからという理由で、大人になって実家に帰ることになるのは恥ずかしかった。

それからは地元でひっそり暮らした。はずだったのだけれど、こんな私も、この4年間で今や一児のママだ。私にも結婚は出来たのだけれど、この結婚も唐突にやってきた。プロポーズを通り越して、結婚と赤ちゃんが同時にやってきたんだ。結婚と同時に地元を離れることになった。

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人生、何が起こるか本当に分からない。予測不可能。起きたことが全てで、正解なのかもしれない。いや、正解にしていくのかもしれない。ある程度は、自分の手の中で操縦したいものだけれど、全然上手くはいかないものだ。

私の人生、コロナを切っ掛けに、想像もしていなかったことの連続で、本当にコロナさえ無かったら、今でも大好きな東京で暮らしていただろうと思う。4年間、酸いも甘いもギュッと濃縮した、まさに人生という日々を過ごしたんじゃないだろうかと思う。