私はお酒に弱い。アルコール度数3%の350mlの缶チューハイを飲み切る前に顔が真っ赤になる。すでにちょっと気持ち悪くなる。飲み会では、飲んだ量と同じかそれ以上のお水を飲まないと半分朦朧としてくる。
だけど好きなお酒は焼酎と日本酒と泡盛とワインとホッピー。家で梅酒も漬けている。最近、ビールも美味しく感じ始めた。

酎ハイとか、カシスオレンジとか、甘めのお酒は好きじゃない。お酒初心者向けのものは好きじゃなくて、強い人向けのお酒が好きだから結構大変。
ちなみに飲み会は大の苦手。少人数ならまだしも、二次会三次会カラオケとなるとかなりきつい。

私の母は強い。だけど年齢のせいか、最近はよく酔っている。
父親は弱い。というか、父親の家系がものすごく弱い。すぐに真っ赤になる。
妹2人は、普通に飲める。だけど、飲んだ量に比例して酔っているようだ。きっと、時々はお酒に飲まれて大変なことになるタイプだろう。頑張れ。
私は父親の血を引いた。とにかく相性が悪いから、お酒は滅多に飲まない。
だから懸賞好きの私が当てた焼酎やビール、酎ハイは減らずに冷蔵庫を侵食していくばかり。飲み会でみんなが何杯も飲んでいるのに私は1杯飲み切るのがやっと。
けど、私が感じている距離感は、もっと別。
単純に、お酒を楽しめない。

◎          ◎

確かに、お酒以外の楽しみもたくさんある。コーヒーとか、チョコレートとか、美容とか。
だけど、そういう趣味的な問題じゃなくて、飲めない側からすると、お酒だからこその楽しみ方があまりにも多いように感じる。
例えば華金。華金といえば飲み会だ。だけど私にはそんな概念はない。
毎週金曜日をそうやって楽しめて羨ましい。私からしたら、明日明後日が休みで、ちょっと気楽なだけのいつもの夜。プラスアルファでテンションを上げられる楽しみがあって、心から羨ましい。
あとは歓迎会や送迎会、新年会など。これは楽しみというより、私にとっては究極の修行で、できれば避けたいイベント。時代は変わってきていて、10年前などと比べて積極的な会は減っているらしい。プライベートを人に見せたくない私にとって、職場の人と終業後も一緒にいるのでさえ苦痛なのに、お酒も飲まなければいけないなんて……。
他の人は、めんどくさいけどタダ酒だからいいや!って言っているのを聞いたことがあるけれど、私はメリットなんて1つもない。

1番羨ましいのは、旅行先。海外旅行や国内旅行でお酒を楽しめたらどんなにいいだろうと思う。私はこれまで11カ国行ってきたけれど、ほとんどお酒は飲めなかった。その国独特のお酒とか、ご当地のクラフトビールとか酒蔵巡りとか、25歳になった今でも無縁。
1杯ぐらいなら、と思ったこともある。
だけどコンディションによっては本当に酔うし、翌日に響くし、お酒が入ると乗り物酔いが怖くて電車とかタクシーとかは乗れなくなる。旅行先でワイングラス片手に街並みでも眺めたい人生だったな。
他の人と比べて、せっかくの楽しみを欠いている気がする。

あと最近気づいたのが、ストレス解消や切り替えのためにお酒に頼ってみたかった。
映画でも実生活でも、失恋したから、嫌なことがあったから、今日はよく頑張ったから飲もう!みたいな言動をよく見かける。

だけど私レベルになると、キツい時の飲酒こそもっと負担になる。飲んだ翌日は気持ち悪いし眠いし足はむくむし疲労感がものすごいから、大変な生活をさらに大変にすることになる。まるでマゾだ。
お菓子を食べても現実逃避にならない。長風呂したり運動したりアロマとかやったところで、多少のことになら効くけどキツさへの捉え方は何も変わらない。他の人はきっとうまいことお酒に頼って、自分と折り合いをつけているんだろうな。生きづらいな。

◎          ◎

そんな私だけど、飲酒後の楽しみが2つある。
1つめは、炭水化物とオレンジジュース。
アルコールを分解するには糖質を摂取するといいらしい。自分でも感じてきた。何も摂取せずに寝たときと、何かしら摂取したときとで、翌日の元気さが違う。
だから飲んだ帰りはドラッグストアやコンビニに寄って、ラムネやおにぎり、カップラーメンなどの糖質とオレンジジュースを買って帰ってもいいことにしている。深夜の炭水化物、最高だ。
2つめは、鏡の前での全身チェック。
飲んだ後、顔だけではなく、体全体も赤くなる。顔は赤1色になるけれど、体は斑点のような、迷彩柄のような、マーブル模様のような、全身が肌の色と赤みがぐちゃぐちゃになる。それが、面白い。
自分のことを鏡で見るのも嫌なタイプの私だけど、飲んだ後は別。全身の模様が面白おかしくて、しばらく眺めてしまう。

おうち飲みは楽しいから、懸賞で当ててきた無料のお酒をマイペースに楽しもう。
お酒飲まないし飲み会も好きじゃないから、それだけ太りにくいってことだし。
節税にもなってるし。
世間は世間、私は私。