嬉しいことがあった日も嫌なことがあった日も、20時ごろには服を脱ぎ捨てて風呂へ直行する私にとって、湯舟に浸かることは自分だけしか知らない自分と向き合う時間だと感じている。

湯舟に浸かって、今日の1日を振り返ることはもちろんだけど、明日やちょっと先の自分を想像する時間を私は大事にしている。

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1日の締めくくりともいえるお風呂は、お湯はりをするまでが正直面倒だ。だけど、その日あった嫌なことを消し去るように服を脱ぎ捨てて、バスルームへ入ると、今日も無事終わったのだという安心感とともに、身体を優しくじんわり包み込んでいくお湯に浸かっていると、少しだけ寂しくなったりする。

そんなお風呂タイムを味わう準備をする脱衣所に、飼い猫ちゃんが侵入し「僕も一緒にいい？」とでもいっているかのような顔で、たまに一緒にお風呂に行くこともある。猫ちゃんにとって、お風呂はとても不思議な場所で人間はなぜお風呂に入るのかわからなくて、それが新鮮だったりもするのかもしれない。
そんなハプニングにも遭遇しながら、今日の自分と明日の自分を考えるお風呂は平和で過ごせる幸せを噛みしめる時間でもある。

静寂なプライベート空間で、あれこれ思いを巡らせていると、いつも通りの日常が、ずっと続かないかもしれないし、極端に言えば明日死んでも後悔しないように生きることを感じさせられるのだ。自問自答を繰り返しているときもあるし、何年か前の出来事を思い出してあんな時もあったなあとか、気づけば1人で人生のパズルを重ね合わせている。
お風呂に浸かっていると私は気づけば、今までの自分とこれからの自分を見つめ直しているときが多い。それは、湯舟に浸かった時の温かさに身体全身が包まれていき、ピリピリしてしまった1日もいつのまにか忘れて、すっきりと気分転換できるからだ。

こうして最近の私は、今日より明日の自分を楽しもうとか、今日食べたご飯が美味しかった時また楽しみたいなあと何気ない幸せを振り返る、とても贅沢なお風呂時間を迎えられている。

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シャワーだけのほうがスッキリするかなという熱帯夜に見舞われる夏も、お湯に浸かって何か考え事をしていると少し長風呂になってしまうけど、お風呂上りのアイスはもっと最高なのだ。

特にこの夏は、好きなジュースをいれて冷凍庫に凍らせてアイスを作るアイスポップメーカーを手に入れた私は、髪の毛を乾かしてから、マンゴーカルピスと炭酸を混ぜておいたアイスを取り出して、お湯の温かさで包まれた身体が徐々にひんやりと涼しくなるのが心地よかった。

これも、お風呂に入らないとわからない幸せな瞬間で、アイスを頬張りながら、色んなフレーバーのアイスを味わえる夏も悪くはないのかなと感じていた。

夏は浴室の暑さから扇風機の風で涼しくなっている脱衣所との温度の変化を色濃く感じるし、冬はあったかい浴室からあがると一気に冬の寒さを思い出す。

そんな体感をお風呂で感じることも、決して当たり前ではないからこそお風呂に入ることで日々、自分ではわからない間に身も心も浄化され、明日へ向かうパワーを貯蓄できていると信じたいものだ。

365日同じ毎日がやってくるとは限らないように、全く同じ状態の自分でお風呂に入ることはなかなかないなあと感じつつ、悲しいときも嬉しいときもお風呂場はいつだって温かく迎え入れてくれると知っているから、お風呂に毎日安らぎを求めながら入る自分がいるのだと思う。

ずっと気を張った1日から解放されたいとき、オフの状態でいられるお風呂場では、明日も穏やかに健やかに過ごせることを願って、まったりと至福の時間を思いきり楽しみたい。