私は横浜にあるみなとみらいが好きである。日本全国を駆け巡ったことがあるわけではないが、恐らく日本のどこよりも一番であろう。

初めてみなとみらいに行ったのは恐らく3年前くらいだ。何を思ったわけでもないが、宮崎から神奈川に引っ越してきて、鎌倉や茅ヶ崎しか行ったことがなかったことをきっかけに行ってみようと思い立った。

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みなとみらいとはよく聞くが、果たしてそれが建物名なのか駅名なのか地名なのか、一体何なのかということすら知らなかった。とりあえず「なんかキラキラしてるところ」という概念で、横浜駅からみなとみらい線に乗り換えた。

みなとみらい駅に着いて、一番初めに思ったことは、「駅名か」ということだった。よく知りもせず、とりあえず改札を抜けて、一番最初に目に入ったエスカレーターに乗った。

恐らくMARK ISのエスカレーターだったのだと思う。やけに長いな、という感想を抱いたのを覚えている。長いエスカレーターを降りて、よく分からない建物を少しだけさまよって、出口を抜けて目を見開いた。

そこには大きな大きな観覧車がそびえ立っているのだ。そばにはジェットコースターのレーンもあって、河川を隔てるように遊園地まである。異世界、と言うのがしっくりきた。車通りは多いし、ビル群は立ち並んでいる。

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東京ドームシティは都会に突如として現れる遊園地というイメージだが、みなとみらいは何とも例えようがなかった。都会と言うには物足りず、辺鄙とは程遠い。海があり、ビルがあり、遊園地がある。

まるで近未来だった。近未来の異世界。私は人目も気にせず、田舎者特有の面持ちで上を見ながら歩いた。見るものすべてが物珍しく、魅了されていった。

魅力は外観だけではなく、商業施設も十分にある。遊園地に隣接しているワールドポーターズには映画館があるし、少し歩けば赤レンガ倉庫がある。欲しいものが明確にあるときも、とりあえず必須で欲しいものは無いけどショッピングがしたいというときも、みなとみらいですべて事足りる。みなとみらいという言葉の響きも、ひらがな表記なのもなんかいい。

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一瞬でトリコになった私は、幾度となくみなとみらいに足を運んだ。2年前には桜木町駅とワールドポーターズを結ぶロープウェイまで作られて、より近未来となった。

私のお気に入りのみなとみらいでの過ごし方は、スタバで好きなドリンクを買い、MARK ISのテラスにあるベンチで観覧車を眺めることだ。なるべく夜に近いほうがいい。次の日が休み(金、土)の夜でも人はさほど多くなく、秋なんかは過ごしやすい気温である。そこで観覧車をただただ眺める、もしくはネイルをするのだ。セルフネイル派の人は共感してくれるかもしれないが、自宅など籠った空間でネイルをするとシンナーの匂いが充満してしまい、抜けきるのに時間を要する。外で塗るにはみなとみらいのベンチはうってつけで、何より一人きりの時間に心が洗われる。

私はみなとみらいを私のアナザースカイとしている。あれほどまでに夜景が綺麗な場所を他に知らない。神奈川に来る際、もしくは付近に住んでいる方には是非私のおすすめの過ごし方を試してみてほしい。