私が今年の秋にしたいこと。それはずばり、スキンケア。特に、日焼け対策を毎日の習慣にすることだ。今日は、ずぼらな私がこの夏いちばん後悔した話をしよう。

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きっかけは7月。祖母の一周忌でのことだ。
「いちこちゃん、そろそろ着替えて‼」
母のいつになくあわてた声が、階段の下から飛んできた。パッと時計を見ると、10時30分。まずい。ここからお寺まで、車で20分はかかる。法要が11時からなので、間に合ったとしてもギリギリだ。なんてこった。予定は前々から知っていたのに。のんびり二度寝している場合ではなかった。私のバカ。

ただこうなっては、己を恨んでも仕方がない。普段なら考えられない速さでパジャマを脱ぎ捨て、礼服を着て、玄関を出た。

 外は、暑かった。猛暑だった。さっきまでエアコンに甘やかされていた私は、そんなことをすっかり忘れていた。日焼け止めすら塗っていなかったが、歩くしかない。
「この時間に出かけるのか…暑いなぁ」
そんなことを思いながら、なんとかお寺に着いた私たち。無事に法要を済ませた。

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さて、問題はここからだ。霊園に移動して、今日のメインイベント、お墓参りをせねばなるまい。準備だけでも、掃除用の水やら、お供えのお菓子やら、お線香やら。運ぶ荷物が大量だ。ただ、これは全部必要なもの。そして、お参りだってきちんとせねば、祖母が悲しむ。私は、雑念を振り払って、なんとか手を合わせた。やりきった。

同時に、祖母とはまったく関係ない後悔が頭の片隅にあったなんて、言えるはずがない。考えてみれば、暑い中で車とお墓を行ったり来たりすれば、日に焼けるに決まっている。分かりきった状況なのに、何もしてこなかった。つくづく、己を恨んだ。

「よし、明日からちゃんとしよう」
霊園からの帰り道、私はそう誓った。
ただ、事態はこれでは終わらなかった。家に帰った私は、さらなる己のずぼらさを見つけたのだ。

 洗面所の棚を開けると、中から出てきたのは、消費期限が今年の日付の日焼け止め(未開封)。どうやら、去年も同じようなことを思いつつ、忙しさと面倒さに負けたらしい。まったく、なぜ人間というものは、こうも進歩しないのだろう。もはや恨みを通り越して、私は己に呆れた。そして、激しく落ち込んだ。

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しばらくしてから、気を取り直して、日焼け対策について調べることにした。どこのサイトを見ても、「対策は年間通して必要」とか、「少しでも早いほうがいい」と書いてある。
「お前、28歳の今頃気づいても遅いよ」と言われているような気分だったが、やらないよりはいいはず。そう自分に言い聞かせて、必死にモチベーションを保とうとした。

次の日。特に予定はないのだが、私は自分のために気合いを入れた。置きっぱなしで使ったことのなかった洗顔料で顔を洗い、化粧水をパシャパシャして、それまでになくすっきりした朝を味わった。そして、例の日焼け止めも、これでもかときっちり塗った。30分くらいかかった。室内にいても日焼けするというから、塗って損はないだろう。これでようやく、人並みのスキンケアであり、日焼け対策らしい。

そう思ったら、途端に気が遠くなった。世の人たちはこんなことを1年365日、何があってもきっちりやっているのか。私には、1日頑張るだけでやっとだ。 そして、致命的なことに気づいた。そもそも、日焼け止めを塗った後のベタベタした感覚も、汗で落ちてくるのも苦手だ。なんとかならないものか。

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そんなわけで、今は、せっかく目覚めた対策を習慣にすべく、さらっとして使いやすい日焼け止めを探している。

これを書いている今は8月。これからますます暑くなる。日差しとの戦いは、しばらく続きそうだ。 秋になる頃には、歯磨きするくらいの自然さで日焼け止めを塗りたいものだ。