真っ暗な闇に包まれる夜が怖い。

夜型人間で、入眠が遅い私。

いつも夜更かしする時はひとり寂しい夜だった。

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約2年前の、夏から秋に季節が変わる頃。

不眠気味の私は眠れぬ夜を過ごしていた。
そんな私は、夜中でもできる趣味はないかと探し、オンラインゲームに興味を持ち始めていた。ある同僚がそのゲームをしていることを知り、教えてもらうことになった。

と言ってもオンラインゲームなので、仕事終わりにそれぞれの家で通話しながら、というプレイスタイル。

最初の頃は、23時頃までを目途に、何度かプレイしていた。
その後、私がそのゲームにハマるまでに時間はかからなかった。ひとりでもプレイするようになり、同僚に追いつけるようにプレイ時間を増やしていった。
なんとかこうにか一緒にプレイしていたが、まだまだ下手くそな私が足を引っ張って負けることが多かった。

そうしたら、同僚が私でもできそうな他のゲームを教えてくれた。ふたりでそちらのゲームも始めることにした。 必然的に一緒にゲームをする日が増え、時間も延びた。ただ、ゲームで夜更かしは体力的に難しかった。

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ではなにで夜更かしをしたか?

通話だった。

ゲームは0時くらいで終わっても電話は切らずに様々な話しをした。
職場は同じでも一緒に仕事をしたことはないし、用がない限りは話さなさい私たちは、お互いのことをよく知らなかった。だからこの電話では話題が尽きることはなかった。

そして通話を繋げたまま寝落ちする。 

 次の日の朝、寝不足のまま電話を切る。会社でふたりとも寝不足の顔で素知らぬ顔でご対面。

これが私たちの夜更かしスタイルだ。 

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私たちはこの夜更しがきっかけでお付き合いを始め、結婚した。
お付き合いを始めてからもたまにする夜更かしは、通話しながらの寝落ちスタイルだ。
お泊りデートの時は、オンラインゲームだけでなく様々なゲームを一緒にプレイし、夜更けまで話し込んでいた。主に、私が。それをうんうん、と聞く彼氏。そして寝落ちする。

そして結婚をした私たちは、夜更かしをやめたかと言えばそんなことはない。

変わったのは、電話で夜更かしから隣同士で夜更かしをすることになったくらいで、夜更かしスタイルは変わらなかった。

隣同士で、どちらかが眠くなるまで様々なゲームをプレイする。眠くなったら寝室に移動し、話のネタが途切れるまで話し続ける。こんな夜更かしスタイルになった。

結婚をしてもお互い期間長めの出張があるので、離れて暮らすこともある。その時は、変わらない夜更かしスタイル、通話しながらの寝落ちだ。

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私は、同僚つまり旦那さんに出会うまで、日常の中でこんなに楽しい夜更かしは記憶になかった。 夜更かしはひとり寂しく辛い、もしくは、友達とお泊り会といった特別な日だけのイメージだった。

特別ではない日常の中の私たちの夜更かし、それが私には特別だった。

でも楽しいのは私だけだったのではないかと思い、結婚してから旦那さんに聞いたことがある。そしたら「付き合う前の夜更かしは楽しかったけれど、実はつらかった」と旦那さんに暴露された。

そりゃそうだよね、不眠気味の私に付き合う夜更かしは大変だったと思う。
ただ、旦那さんは続けて、「でもね、次の日の仕事中に眠いのは確実だなと思うけど、俺も楽しかったから夜更かしを一緒にしてたんだ」と。