私は、幼少期から憧れていた東京に、20歳から20代後半まで住んだ。

事情があって、今はもう東京から離れてしまったけれど、今でも東京が大好きだし、たまに東京の街に思いを馳せている。

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海と山に挟まれた地方出身。都市開発によって、今ではやっとタワーマンションが出来ているけど、私が地元を出るまでは、全然栄えていなくて“私は何でこんな田舎に生まれたんだ”とずっと思っていた。早く地元を出て、都会に住みたくて仕方なかった。

関西人だけれど、神戸でも大阪でもなく、“東京の街”に憧れていた。

「私は絶対、東京に住む」と、厳しい親に学生の時からずっと言い続けて、社会人になって親に反対される隙も与えず、田舎から逃げ出すように上京した。

音楽活動を関西でやっていたけど、東京で活動することになったからと言って東京へ出た。音楽活動といっても、当たり前に無名だし、やっている事はレッスンに通っているぐらいで、“習い事をしている”くらいのレベル。

だから、親を安心させれるような条件は揃っていなかった。

それが私が20歳の頃だった。

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とりあえず、上京できたのはいいけれど、知り合いが東京にいたわけでもなかったし、友達も1人も東京にいなかった。

周りは知らない人しかいなくて、本当に“ひとりぼっち”感が強く、強い孤独感があった。

“東京の人は冷たい”とよく聞くけど、何年か東京に住んで私が思った事は、“皆、自分の事に必死で生きていて、周りの事を気にしていない。他人のことはあまり興味ない。”そんな風に思った。

逆に、関西人は知らない人にも興味があるのか、お節介なんだと思う。

私は、お金が無い時期に東京に住んでいたけど、東京はお金を持ってこそ、めちゃくちゃ楽しい場所なんじゃないかと思った。

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 何でも望めば、手を伸ばせば、手に入れることが出来る。

有名なご飯屋さんも多いし、遊ぶところも多い。夜中でも大体お店がやっていて助かる。そういった面では困ることが無い。

やはり、ビジネスの街というか、いい物が集まっている、様々な“一流”が東京に集まっているように思う。

死ぬまでに一度は行ってみたい、有名なお店も沢山ある。

そこに行くまでは、人生もがいて足掻いて死ねない。

東京はエンターテインメントが多い場所だ。

まだまだ、行ってみたいところが多い。

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 私は、人生の節目で東京を離れることになってしまって、それから地元に戻って、今はまた別のところに住んでいる。本当は東京を離れたくなかったし、今でも住めるならば、住みたいくらい東京が大好きだ。

私の人生では、今のところもう東京に住むことは無いだろうと思う。

だけど、まだまだ東京で遊びたい。東京を知り尽くしたい。住めないなら住まなくても、時々東京に行って、色々行ってみたいところを1つずつ潰していきたい。

それが、今の楽しみだ。仕事を頑張る意欲にも繋がっている。
20歳からの、どうしてもと自分を貫いて行くと決めて本当に1人で上京した経験、これは絶対やって良かったと思う。後悔したことは一度もない。

音楽活動をやっていくうちに、音楽活動で私は食べていくことは出来なかったけれど、やりたい事は全てやる、納得いくまで挑戦してみること、それにより何にも替えられない経験ができたと思う。