私は朝型なので、積極的な夜更かしはしないようにしている。

いや、正直”オール”に憧れはある。気心の知れた人たちと飲み明かす(お酒弱いけど)とか、カラオケのフリータイムで歌いまくって疲労のあまり逆に何もしない時間を過ごすとか、そういうこともやってみたい人生だった(?)。

実際には、カラオケに行くのはお昼過ぎや朝方の数時間(健全!)、飲み会も日付が変わるかどうかあたりで解散 or 離脱(健全!)。そして翌日はたぶん7時台には起きていたはず……なんか、生真面目な大学生って感じだ。

この融通の利かなさは、生活リズムを狂わせたくないということ、そして朝食を摂りたいという気持ちが強いことにある。そんなの、食べられなくても1日くらいじゃないか、と思われるかもしれない。しかしそれすらも許せなかったし、リズムが崩れると特に胃の調子が数日にわたっておかしくなるリスクもあるので、意外と1日で終わらなかったりもするのだ。

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そんな感じで憧れの”積極的”夜更かしはできていないが、”消極的”夜更かしはたまにやってしまう。何かというと、気持ちが落ちているときに「それを少しでも上向きにするため」の時間である。

落ち込むようなことがあっても寝たら忘れる、という人がいる。残念ながら私はそっちタイプではなく、そもそも落ち込み度合いが強すぎると眠れない。もやもやした気持ちに眠れないストレスが乗っかり、結局浅い眠りしかできずに身体がダルい、という三重苦となるのだった。

そうなるくらいなら、夜更かしをしてでも好きなことをして、気持ちを少しでも上げておいたほうがいい。終わり良ければ総て良し。なんやかんやでまあ良い1日だったよね、と思えれば眠気ものそのそとやって来てくれるはず。

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こういうときは、きっと読書が最適なんだろうなということはわかっている。「わかっている」ということはつまり読書はしていなくて、大体は布団に入ってSNSを巡回している。ブルーライト浴びまくりで、本当に眠りたいのか甚だ疑問のムーブである。

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しかし、そういう強い刺激で記憶を強制的に塗り替えたいのだ。

本だって、一度その世界に入ってしまえば現実に戻って来られなくなるくらいのパワーは秘めている。ただ、調子が悪いときの私は文字がすべってしまい、何度同じ行を読んでももやがかかったようで、足を踏み入れることすらできない。そのため目が冴えるリスクを冒しながらも、自動的に頭に流れ込んでくる短文・画像・動画の世界に浸るのだった。

……こう書いてみると、全然健全じゃない。冒頭にいた健やかな私はどこへ行ってしまったのだろう。学生時代もそういう夜更かしをしていなかったわけではないが、深夜1時半すぎまでインスタのショート動画見る、といったことはここ最近の話である。年を取り、失われていく健全さ。あな、心憂し。

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どうせ夜更かししていても朝はお弁当作りや何やらで早起きするんだから、と高を括ることで夜更かしを肯定している節はあるが、結局日中ダルくなったりするのでなるべく控えたいとは思っている。しかし、どこから手を付ければいいのだろう。根本的には「落ち込まない」というところなのだけど、それができたらねえ?

ひとまず、「落ち込みそうな予感のする事柄は夜に触れない」をやってみようかな。意外と効果があるのではないかと少し期待している。