今までの短い人生の中で自分にとって居心地のいいと感じる場所をいくつか見つけることができたことは幸せなことだ。それも1つではなくいくつも。

私は一人の時間が好きだし、必ず1日の中で必要だ。誰にも気を使わない、ゆったりとした時間。難しいことは考えずに、時折ぼーっとしながら過ごす時間だ。特に、車を運転している時間が好きだ。それも通勤中の車内ではなく、時間を気にせず目的地をはっきり決めずにただ車を走らせる時間がお気に入りである。

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そんな私の居心地のいい場所といえば、自分の車の運転席だ。人が運転する横で助手席に座るのは少し違う。運転する方が好きなのだ。なぜ自分の車の運転席にこだわるのか少し詳しく語ろう。

自分の車の運転席は、自分で車を操作して好きなところに行けるコックピット。手の届く範囲に飲み物やお菓子など運転しながらつまめるような食べ物を置いておく。好きな音楽を音量大きめでかけて、同じ音量で歌う。

エアコンの風よりも、これからの季節は特に窓を開けて自然を感じながら車を走らせる。ちょうど良い背もたれの角度を見つけて、リラックスしながらハンドルを握る。これが全て合わさった瞬間が何とも言えないほど心地良い。

時々、気分が落ち込んだり疲れを感じたりした時にはよく家を飛び出して、もしくは職場からそのままドライブに出かける。自分の内側にこびりついた嫌な気持ちを、好きな音楽と爽快感が洗い出してくれるようだ。ガソリンが高いので、無理に飛ばしたりせず燃費に良いようにのんびり走らせている。疲れている時も運転した方が気分良くなれるときがあるのでとりあえずドライブする。帰り道にカフェに寄ってまったりするのも好きだ。

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この場所はもちろん大人になってから、もっと言うと社会人になってから見つけた場所だ。

それまでは家も学校も自分にとって落ち着く場所ではなかった。壁で仕切られた自分の部屋が無かったので、自分だけの空間はどこにも存在しなかった。強いて言えばトイレかお風呂場だろう。だから私は基本長風呂だった。

リビングなど誰かが必ず見ている場所で勉強をしたり、遊んだりしていた。大学生になってからは自由度が上がって、大学の図書館や行きつけのカフェを居場所にして勉強したり寝たりしていた。

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私はずっと自分だけの場所を求めてきた。

常に人目を気にしてしまう性格の私は、誰も干渉してこないところで自分の好きなように生きていたいと思っていた。家の外ではもちろん、家でも親たちが干渉せずにはいられないようだったので、常に気を張って生きてきたのだと思う。

「怒られないようにしよう」「言われる前にやろう」「無難な格好でいよう」

そんなふうに無難に生きてきたつもりの私は無事に自分の居場所を見つけることができ、精神的な安定を得ることができるようになった。全部時間が解決してくれたおかげだ。

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自分の車の運転席以外にも自分の居場所があることはとても有難いことだ。

職場の仲間、友達、習い事の先輩や後輩、オンラインコミュニティの仲間たちは、どこかでつまずいた私を必ず誰かが助けてくれる。

その人たちに会いに、自分のお気に入りの車のコックピットに乗り込んで車を走らせることに幸せを感じる。

私は、コックピットに閉じこもる時間も、人と気兼ねなく話す時間も、一緒に物事に打ち込む時間も大切にしたいし、そこにいる自分が好きだ。