夜更かしの理由。
ずばり”推しを求めて”、である。
私は推しを求めてSNSを徘徊するのをやめられない。
しかも最近終わったコンテンツに対して。
これがどれくらい難しいのか、簡単に説明しよう。
某コーヒー店の新作が品切れになった後、次の新作までのつなぎとしてコーヒークリーム系フラペチーノが出るのはご存じだろうか。
あれをひたすら探し求める。簡単そうに見えて意外に難しいんだ、これが。なかなか見つからない。見つからないまままた新作が登場する。探せばなんかありそうなのに。
本当に飲みたいのに。昔大して好きじゃなかった時は割と頻繁に見てたのに。
一度味をしめると、それを求めて仕方がなくなる。
新作早く完売しないかなとか思いつつ、ぐるぐる何軒も探したりする。
マジでないとその商品を深く観察し、自分で作り出したりするファンもいる。
この例えと大きく違う点はただ一つ。
コーヒークリーム系フラペチーノとは再会の可能性があるが、推しにはもう会えないということ。
◎ ◎
なんで今さらハマるんだと思うことだろう。私もそう思う。
つい先日そのコンテンツのキャスト全員卒業公演があり、私は別の推しがいたために公演に臨んだ。最近は現地に行かなくても配信で公演を楽しめる。便利な世の中になったものだ。
けれどオタクは現地にも行くし配信も買う。それがオタクだから。
現地参戦後、千秋楽配信を購入した私は、なんとその配信で新たなる推しに出会ってしまったのだ。
卒業公演でハマるバカタレだと思ってもらって構わない。私もそう思う。
すっかり彼らに惚れた私は後日物販を買いあさり、ランダムアクスタで推しとそのチームメンバーを引ければ歓喜し、職場のデスクにオンステージさせる。
ハマったのが遅かったため、過去を遡り当社比で新規絵を発見しては喜ぶ。
しかしそれも尽きてしまうと、もう新規の供給はない。
そこから先がオタクとしての腕の見せ所。
もともと多くを語らないコンテンツで、なおかつ推しは原作にはないオリジナルキャラクター。原作に登場するメインキャラクターの過去の敵役として登場する四人組。
利害関係で組んだのにいつの間にか仲間になっていたのだが、その過程がごっそり抜けているというのもまた考察しがいがあるというか。
つまりあらかじめ説明された設定以外、解釈はファンありきになるということ。
公式の新規供給がなければファンの考察を食べればいいじゃない!
まさに令和のマリーアントワネット思考の爆誕。煮詰まったオタクはこうなるといういい例。
◎ ◎
それからというもの、私は日々そのコンテンツを好きでいるファンのSNSを徘徊し、新しい投稿をしていると即いいね!する。
原作には登場しないゆえか、粘り強い人気を保っており考察やファンアートの質もかなり高い。意外にも卒業後ハマった同志は多く心強かった。
そうやって私は夜な夜な推しを求めて夜更かしをする。
肌には悪いのかもしれないが、気持ちは潤い翌日元気だからオッケー。
ここまで語り、もしかしたらあのコンテンツでは……?と思った人もいるだろう。
そして実は私も卒業前後で好きになって……という人もいるだろう。
みんなで霞を食って生きていこうね。いつか彼らが復活するその日まで。