ここ数年のクリスマスで、一番楽しかったな、と思うのは、大学1年生のときのことだ。

ちなみに、私に初めての彼氏が出来たのは、大学2年の9月だった。それから3年半ほど付き合ったので、彼とは4度のクリスマスを過ごしたことになる。にもわらず、その詳細について、あまり思い出せない。

彼の実家はクリスマスをやらないタイプだったらしく、そのせいもあってほぼ何もせずに過ごしたからだと思う。せいぜいコンビニでケーキやチキンを買ったりしたくらいだった。そのケーキだって、ちゃんと予約とかをしていなかったから売り切れていて、仕方なくシュークリームを2個買ったりしていた。なんとも志の低いクリスマスである。

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では、大学1年生のクリスマスはどのように過ごしたのか。
一言で言えば、「おっさんずラブづくし」だった。

まず、24日のクリスマスイヴ。高校同期の女友達が、家に遊びに来ることになっていた。一緒に連続ドラマのおっさんずラブを一気見しよう、という約束をしていたのだ。
昼くらいに集合して、外が暗くなるまで、ぶっ通しで視聴した。私も友達もそれまでおっさんずラブを見たことがなくて、お互い初見の状態だった。

「めちゃくちゃ、良かった」
「夜景の光がハート型になっている、芸が細かい」
「終わり方、最高すぎ。余韻が残る」

視聴後、私たちはそのようなことを言い合った。想像していた以上に、良かった。クリスマスイヴに見るにふさわしいドラマだと、心から思った。 

そして翌日、クリスマスの日。
授業はあったが、午前だけだった。そのため、レオパレスに住んでいる大学同期の家にお邪魔して、クリスマスパーティをしようという話になっていた。イオンに行き、チキンやケーキを調達して、彼女の家に向かう。

女6人。当時、全員彼氏いない歴=年齢。最高のメンバーである。

始めは普通に話しながら買ってきたご飯を食べていたのだが、家主がテレビのリモコンいじくり出した。
「レオパレスってサブスクみたいなサービスがあるんだよね」
そう言って、彼女はその画面を開いた。Netflixのように、ドラマやアニメが並んで表示されていた。そのラインナップのなかに、おっさんずラブがあったのを、私は見逃さなかった。

イオンに向かう道中で、おっさんずラブを昨日見た、とても良かった、という話をしていたため、他の子も気づいて「あっ、あるよ」と言ってくれた。おかげで、皆で見る流れになった。ありがたい。

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2日連続で見ても、おっさんずラブは最高だった。結局、1話から最終話まで見た後、連続ドラマの前に放送されていた特別ドラマまで見た。 そのままその子の部屋に泊まって、翌日皆で登校した。

今こうして書いていても、楽しかったなあ、と思う。恋人と過ごすクリスマスも素敵だけれど、この思い出には勝てないんじゃないかな。私の元恋人がものぐさだったせいでそう感じるのかもしれないが、それだけではない気もする。

夜景とか、特別なディナーよりも。私はきっと、こういう過ごし方を最高だと感じてしまう。