家事はそつなくこなせる方だ。苦手意識はあまりなく、実家にいるときから手伝いもしていた。特に得意なのは料理。自分の趣味になっている。料理も、作るだけではない。洗い物をしてシンクを空にするまでが料理である。もちろん一番やりたいと思うのはご飯を作ることだけど。得意な家事について語るのは、よくある話。今日は家事の中でもつい後回しにしてしまう、掃除の話をするとしよう。
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掃除は、家事の中でも後回しにする確率が高い。気になっていても、仕事で疲れて家に帰ってくるとやる気を無くしてしまう。今日生活できないわけではない。床に直接座らなければ、ホコリにまみれて服が汚れることはない。そう思ってしまうのだ。次の休日に掃除をしようと思っても、休日なのだからと、朝遅くに起きてはのんびりと過ごし、時間を無駄に過ごす。掃除を始めるには重すぎる腰が完成している。ようやくやる気を出してみるが、すでに夕方になっていることがしばしば。今から掃除機をかけると近所に迷惑がかかるかもしれない。一度掃除を始めてしまうとキリがなく、いくつもの場所を掃除する。終わりが見えなくなる。ひとしきり掃除をしたあとに、いろんな汚れを触った手で料理を作る気にもなれない。いろんな「タラレバ」が頭の中を巡り、巡っている間に時間が過ぎて、一日が終わる。寝る直前になって、今日は何もできなかったな、とホコリでくすんだ床を眺める。掃除機だけでもかけられていたら、トイレだけでも掃除していたら気持ちは変わっていたのだろう。そう思いながらベッドに入る。
もう一度いうが、家事はそつなくこなせる方である。掃除も、やり始めれば問題ない。きれいにしようという思いが強くなり、ある程度きれいにするまでは終わらない。汚いところでも、手を洗えばある程度はリセットできると思っている。それでも、いざやろうとするときは腰が重い。特に床。掃除機はなぜあんなにも重い腰を上げてやらなければいけないのだろうか。そして、一度掃除をしたのに数日後にはまた汚れが溜まっているのはなぜだろう。きれいにしたはずなのに、1週間もしないうちに掃除機をかけなければと思うようになる。今週頭に掃除をしたばかりなのに、とよく思う。
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調べれば、掃除機はできるだけ毎日かけたほうが良いらしい。アンケートを取っているのが主婦なので、必然的にこのような回答になるのかもしれない。私のように一人暮らしをしている人は、1週間に1回程度が平均だという。私からすると、毎週掃除機をかけている事自体が素晴らしいと思ってしまうほど。私はそれくらい、掃除機をかけることが重い腰を上げて行わなければいけない家事だと思っている。
これだけ重い腰を上げなければいけない家事なのならば、タイパを考えて掃除ロボットを導入すると良いのでは、と検討し始めた。仕事に行っている間に掃除をしてくれる。いつも床がきれいな状態で過ごせる。掃除機をかけている時間を他の時間に使える。寝ていても、トイレ掃除に使うこともできるのだ。重い腰を上げなくても、スマホで簡単にスイッチが押せるのも魅力的である。ただ、迷っているのが値段。決して安い金額とは言えない。掃除機であり、AIを搭載したロボットである。それなりの値段はするのだ。今の稼ぎでは、貯金ができておらず、奮発するには犠牲が大きすぎる。暮らしが良くなることは確実なのだけど。
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さらに、今使っている掃除機は気に入っている製品だ。吸引やコードがついていながらもハンディタイプである我が家の掃除機は、とても使い勝手が良い。パワフルで軽く、掃除がしやすい。実家からもらってきたこともあり、費用もかからず手に入れたのでなおさらお気に入りだ。今使える掃除機があるにもかかわらず、新しく掃除機を買う理由がないので悩んでいる。
家事は苦手だと思ったことがない人だけれど、掃除、特に掃除機との関係はとてもはなれた距離にある。どうにかして歩み寄りたいと思ったとき、掃除ロボットの導入を検討するようになった。今も悩んでいる途中だが、答えに導いてくれるひと押しが欲しい。このひと押しによって、家事との距離感が今以上に近くなってくれたら、という期待をもっている。