私はプレゼンや人前での説明が苦手だ。そして、人見知りで新しい人に会うのも苦手だ。
でも何かを手に入れるためには、勇気を出さなければいけない。新しいことに挑戦しなければ、何かを新たに手に入れることはできない。

それにつきものなのが、緊張するということだ。

緊張は何かを手に入れるために、乗り越えなければならないものだ。
私はその結論にたどり着いた。

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プレゼンが苦手なのは昔からだった。正確に苦手意識を持ったのがいつかは思い出せない。
特に克服せずに大学生になった。大学生のゼミでは、よく発表の機会があった。
教授の「言いたいことが伝わるようなプレゼンを心がけよう」という言葉が未だに心に残っている。

私は、人を煙に巻くためにプレゼンをするつもりはない。でも、何が言いたいのかよくわからないプレゼンをしていたように思う。

自分をよく見せたいから失敗ができなくて緊張してしまう。
緊張しないよう心がけると余計に緊張してぎこちなくなってしまう。
私は自分に自信がなくて、人前に立つと自分がどう思われてるのか、それのことしか考えられなくなる。
その結果、心臓が早鐘を打ち、そして喉が閉まり呼吸ができなくなる。
徐々に回らない頭で物を考え、発言する視線が定まらなくなり、しどろもどろになる。

文字通り、息も絶え絶えでプレゼンを終える。成功したか失敗したかわからないが、なんとかプレゼンが終わったという事実だけに集中する。
成功体験のないまま、私はどんどんプレゼンが苦手になっていく。
プレゼン研修を受けても、まだ苦手だ。
でも最近、練習がものを言うことを知った。練習をお守りにして緊張に打ち勝ちたい。

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新しい人と初めて会う時も緊張が止まらない。
出会いの場では、顔も見たことない人と会うことがある。
その日の服装を聞いて、駅で待っている人の中から該当の人を探す。このときの緊張がピークだ。

第一印象が大切だからと時間をかけて化粧をして、とびきりの笑顔を作る。
いつもより少し高い声で喋り、オーバーリアクションを心がける。
ある時は入念に事前準備をしたにもかかわらず、自信がなくその日の占いのラッキーアイテムを待ち合わせの直前にコンビニで購入したことがある。

そのデートのときに限って、家にあったミントタブレットのストックを忘れてしまい、不安になって購入したのだ。いつもなら被りが出てしまうので、もったいないと思って買うのを控えるが、緊張がそうさせた。

初デートを成功させたいという思いだけだった。

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これからも人の視線が刺さるたび、誰かの前に立つ度、何かを説得しなければならない時、新しい人と出会うたび私は緊張し続けるのだろう。
 

しかし、緊張は新しいものを手に入れよう、前に進めようという気持ちの表れだ。
完全に緊張がなくなることはない。なくなったということは現状を受け入れ、満足したということになる。
緊張は向上心のサインだと受け入れ、付き合っていくしかない。