地元にいた頃は、家族と過ごしていたクリスマス。
ちょうど祖父の誕生日でもあったので、お祝いもして幸せが2倍。
上京して1人暮らしになってからは、家族以外の人と過ごすことがほとんどになった。
今年は、残念ながらぼっち確定。
スーパーでイチゴショートでも買って食べようかと思っている。
平日なのもあって友人と予定が合わないし、そもそも彼氏すらいない。
もちろん、もういい大人なので、プレゼントを届けてくれるサンタクロースも来てくれない。
イルミネーションでいっぱいの街中を通りすぎる度に、虚しさと少しの苛立ちを覚える。

◎          ◎

最後に異性と過ごしたのは、たしか4、5年くらい前だったと思う。
「よかったら、クリスマスにごはん行かない?」気になっている男性からのお誘い。
LINEの通知を見て、自然と笑みがこぼれた。
「わーい!」と思い切りバンザイしたいほどだった。心が躍る気持ちとは、きっとこういうことをいうのだろう。
彼とはちょくちょく連絡を取ったり、たまに遊びに行ったりする間柄だった。
クリスマスに会うとなると、特別な感じがしていた。この日をとても楽しみにしていたので、仕事や自分磨きを頑張っていた。

当日、仕事終わりに会った私たち。
「パスタ美味しいね」「ケーキも食べようか」美味しい料理を食べながら、お互いの仕事のことや次に一緒に行きたい場所について話した。私なりに楽しく過ごせたかなとは思う。
でも、何となく「この人ではないかな」という考えが頭に浮かんでいた。

実はデートの終盤、私はお腹が痛くなってしまっていた。
この日はかなり寒かったこともあり、冷えてしまったようだった。
「雰囲気を壊したくない」「恥ずかしい」という気持ちから、なかなか「トイレに行きたい」と言えなかった。また、次の日も仕事だったけれど「そろそろ帰りたい」と言えず、帰りが遅くなってしまった。

数ヵ月後に付き合うことになったけれど、言いたいことを言えなかったり、私だけ我慢したりすることが多々あった。
「素を出せない人といるのはつらいな」「いつまでこんな思いするんだろう」
別れたい気持ちは日々募っていった。
だから、別れられたときのあの解放感といったら、それはもう最高だった。

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家族や友人と過ごすクリスマスは結構素を出せるので、思い切り楽しめるしリラックスできるほど。
でも、異性とそんな風に過ごせたクリスマスはまだ1度もない。
「自分らしくいられる人といつ出会えるかな?」と期待半分、不安も半分。

今の私はあの頃からかなり変わった。
自分軸で考えて行動できるようになってきた。
男性といても好きなタイミングでトイレに行けるし、帰りたいタイミングで帰れる。
思ったことを以前よりも言えるようになってきている。
自分磨きも頑張っているし大丈夫。
あとは、ステキな恋人ができればいいだけ。
今年はクリぼっちだけど、来年こそはきっと。
好きな人と一緒に、心の底から幸せな気持ちで過ごせるクリスマスにしたい。