行きたい大学に行けなくて、大学1年生の時からいろいろな企業の人事に会いに行って、インターンシップに混ぜてもらい、「どうしたら、御社で働けますか?」と聞いてまわっていた若かりし大学生時代。

そんなこんなで貴重な大学時代は過ぎ去っていき、あっという間に大学3年生の就活にさしかかってきた。

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特定の業界、会社の採用基準はなんとなくわかっている。ただ、いざ、就活となると、一体自分がどこで何をしたいのか、どんな風になりたいのかなど、本心では全然持ち得ていないことに気づいた。それでも、就活というのはとどまることがない。

この先何十年にもわたる将来像を持ち得ていないながらも、こんな会社で働きたい、どういう人と働きたいか、英語を使って仕事をしたいなど、そんな表層的なこだわりだけは、確かにあった。

さすがに、大学低学年の時から無理をいってインターンシップに参加させてもらっていただけあって、なんとなく働きたい業界や働きたい会社の目星はついていた。ここの会社のビジネスや、会社自体を好きかどうかは置いておいて、ここの会社を卒業して第二の人生を送っている人に面白い人が沢山いるある会社があった。学生ながらにここの会社にいけば、こんな面白い人たちとのネットワークが築けるんだ、と思っていた。ただ、唯一ネックなのは、日系企業であり、英語を使う機会が少ないことやほとんど日本人しかいないこと。私の中で、培ってきた英語を使いたい、若いうちに外国人と対等に働きたいという強い想いがあったため、そこだけ、う〜んと思っていた。

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あの会社に、そこで英語を使って外国人と働ける環境があったらいいのに……。そんな風に思っていた。その矢先、たまたま開いたLinkedInであるものを見つけてしまった。元々英語部隊があるのは知っていて、新卒を募集するという英語の求人記事だ。

この記事を見た瞬間、「私は、ここだ。ここで働くんだ」。そう思って、一気に視界が開けた。学んできた語学を活かして、日本で外国人たちと働ける。いまの自分が望む理想的な環境は、ここだ、ここしかない。

ほんとうに直感だった。このタイミングで英語部隊に新卒の募集をかけるなんて、奇跡に近いタイミングだと思った。次の瞬間、「よし、ここに応募しよう」と、これまで一度も作成したことがない英文レジュメを作成するためにMacBookを開いた。

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英文レジュメを会社に送り、オーストラリア人の人事担当者が来て、いざ英語面接が始まった。
自分の過去・現在・未来について一通り語った。「なぜこの企業で働きたいのか?」。よくある質問だったが、他の企業の選考と違い、この会社だけは嘘をつかず本音で思いの丈を話せた。「届いて欲しい、この気持ち」。そんな思いで、会社を後にした。

晴れて4月。私は、学生時代に自分が「ここだ!行きたい」と思った念願の企業で働くことになった。もちろん社内は全て英語。上司たちは全員イギリス人。配属されたチームには、自分以外、日本人がいない。そんな欧州文化のグローバルな環境だ。そこから、日本人の私の奮闘が始まっていく。
多国籍チームで働いた経験は、いまでも私の糧になっている。