長期インターン先でいつも口酸っぱく言われることがある。レスのさはイコール信頼だ。
だから私はできるだけ早く返信するようにしているし、実際、仕事も勉強もiPadやパソコンをつかうことがほとんどだからレスは早い方だと自負している。

そんな私が2023年大晦日、久しぶりに未読スルーをした。それは新しく招待されていた、懐かしいクラスのグループLINEだった。

小学6年生、卒業する前にクラスのみんなで20歳になったらあけようと作ったタイムカプセル開封の連絡用だと思われた。中学から私立に通って、みんなとは長らく会っていない私としては、こうしてLINEでみんなと繋がれたことは嬉しかった。

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でも、ものすごく嫌な予感がした。タイムカプセルをけるのは2024年のお盆のはずなのだ。3月生まれの人も含め、全員が20歳を迎えて、かつ県外の大学に通い始めた人も集まりやすいようにとみんなと当時の担任の先生とで決めたはずだった。

このお正月にはタイムカプセルを開封することをお知らせする12歳の自分からのはがきが実家に届くはずだった。それは担任の先生に8年間大事に保管してもらって、2024年のお正月頃に届くよう投函してもらうことになっていた。切手の値段変わってたら1円切手とかを何十枚もらないといけなくなるから着払いにさせてと懇願する先生の姿にみんなで笑ったのを覚えている。

だから、この時期にタイムカプセルのためのグループLINEがつくられるのは早すぎるのだ。いや、ちょうどいいと言ってもいいか、もし主導ている子達がその約束を忘れて、成人式あたりにでも開封してしまおうと考えているのであれば。

そして、その悪い予感は的中した。主体となっている子が一方的に決めた日時、成人式当日の夕方にタイムカプセルをあけるからと出欠確認用の投票箱が作られた。みんなもなぜか乗り気でLINEは盛り上がっていた。でも、成人式で忙しい日に、しかも会場から遠い地元の小学校に夕方集合で来られる人数が少ないのは想像に難くなかった。どうしたものか。

みんなが8年前の約束を忘れてしまったことが悲しくもあったが、一方で私が覚え過ぎなのだというやりきれなさもあった。だって、私は自分がタイムカプセルに何を入れたのか、自分や友だちに宛てた手紙に何を書いたのかも大体覚えているのだから。
約束は約束なのだから私が堂々とお盆だと言えば良いのだろうが、盛り上がってしまった空気と多勢に無勢、そしてはがきが数日後に届けばなんとかなるかもしれないという少しの楽観視から、一旦スルーすることにしたのだ。

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翌朝、どうなっているかなとLINEを確認すると、なんとそのグループには担任の先生も入っていて、タイムカプセル開封はお盆だとはっきり言ってくれていた。

結果、約束は守られたし、なんの問題もない。以前、エッセイで忘れるのも悪いもんじゃないとも書いた。でも、30人弱いるクラスでたった8年しか経っていないのに、こんなにもみんなが大切な約束を忘れてしまっていたこと、私がこういうことに限ってよく覚えていることがどうもやりきれないなと複雑な思いになったのだった。