何度目かの大学4年生をやりつつ、2023年を終えた。いま、2024年が始まって間もないが、すでに不安でいっぱいだ。「就活はどうなっとる?」「将来設計聞かせて!」「卒論いつ書くんすか?」こんな風に家族や友人に詰め寄られて、その度に「いずれ!」と言ってのけてきたわたし。だが今年こそは本当に、将来への歩みを進めたい。
そこで、初めのステップとして2023年から2024年への引継ぎを行いたい。いま振り返ると、どんな昨年だったのか。そして、その次をどんな年にしたいか。
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偶然受けた授業で、わたしはある編入生と知り合った。彼女は、泣く寸前みたいな声色で饒舌に話す女の子で、瞬時に相手の言葉をよりポップな表現で言い換えられるという特技を持っていた。このように個性的な彼女に感化され、わたしも自分を表現したいと思った。
ただ、しゃべることは得意ではなかったので、書くということをもくろんだ。そこで手をつけたのが短歌だ。わたしは就活も卒論執筆もない2023年の夏休みに、「モラトリアム」と題した短歌50首を作った。
そして、推しの歌人が審査員をしている短歌コンクールに出品した。結果は落選だったが、「短歌を50首も作れた!」という自信を得た。同時に、わたしは「作品を作る側の人間」の苦楽を知った気がして、田山花袋や芥川龍之介の作品を個人的に読んでいるときも「この文豪はわたしの仲間だ」と妙にしみじみと思った。
彼らはリア友ではないが、少し心の友になれた気がして嬉しかった。そう思うと、なかなかほのぼのとした一年だった。けれどもやはり、「卒論」と「就活」がすっぽ抜けている一年だった。
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2023年をぬくぬく楽しんだため、わたしはそろそろ現実的な問題と向き合わなくてはいけない。すなわち「卒論」と「就活」である。
◆「卒論」
ドイツ語をメインに勉強しているものの、ずっとフランス文学分野に籍を置いている。はて、何をテーマにして卒論を書けばいいのか、しっぽすらつかめない。ただ、指導教員のうちの一人が「異なる国どうしの文学作品を比べてみるのも面白い」と言っていたため、
ややもすれば「ドイツ文学とフランス文学の比較」というテーマでいい感じに書けるかもしれない⋯このようにポヤポヤ考えながら、相変わらずドイツ語の勉強をひたすらやっている。しかし一つ変わったのは、最近フランス語の勉強も始めたことだ。
これは完全に、「フランス文学分野の学生らしさ」を卒業間際に醸し出そうという魂胆である。かくしていまは、あれやこれやと試している状態だ。ここから先は、指導教員や友達、果ては卒論経験者である妹や親友に相談しながら、そろそろと進めていけたらいいなと思う。
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◆「就活」
極度のお豆腐メンタルのため、主治医には「卒業してから就活するほうがいい」と言われている。おそらく、卒論と就活のダブルパンチでわたしは参ってしまう、と医者は思ったのだろう。何を隠そうわたしもそう思っている。
それでも、折にふれて「就活どうなっとるや?」「おねいちゃん、将来どうするの?」「○○(わたし)ちゃんは、どんな仕事に就くんだろうね?」と無邪気に聞いてくる家族に、何かしら示しをつけたいとも思う。そこで手っ取り早くできることと言えば、師と仰ぐ池上彰氏の「将来設計」に関する本を読み始めることだ。やっと今日が、その本を借りに行く日である。
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もっとも、このようなわたしの宣言は、世間的・世界的に見れば非常にちっぽけで、ゆるゆるで、不完全に違いない。それでも、わたしこそが自分の人生の審判であると思うため、「これがいい」と思ったことを宣言に掲げた。
この世界にいる、わたしのような人たち、そしてあなたのような人たち。あらゆる人にとって、この2024年が良い年になりますように。