私こよみは、この2024年を「『ライフワーク』としての研究者を目指す準備段階」の年とします!

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私は現在、入社2年目のシステムエンジニアです。大学院の修士課程では、日本語ということばの研究をしていました。

少しずつ仕事に慣れてきて、プログラミングなどを駆使してシステム開発を行うやりがいを感じている一方、今の自分を取り巻く状況にどことなく違和感を感じていました。同期との飲み会で出てくる話題は、「上司からの評価」「年収」「転職」ばかり。私からはこれらの話題について、特に何も話すこと無いんだよなぁ…と思い、静かにお酒を呑んでばかりです。

また、以前上司と面談をした際、「こよみさんは何がやりたいの?」と聞かれたことがありました。でも、いくら考えても、これと言ってやりたいことが出てこないのです。

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そんな状況がしばらく続いたある日、私はふと気づきました。「根本的にこの仕事に興味が無い」ということを。

時を同じくして、ふと「Mさん」のことを思い出す機会がありました。Mさんは、私が学部4年生の時に卒業論文の執筆や進学準備でお世話になった、当時修士2年生の先輩です。

Mさんは外国籍の方であるにも関わらず、非常に真摯に日本語と向き合っており(時には、日本語ネイティブでも知っていることが稀な語彙を使っていたくらいです)、丁寧に、そして時には熱く、大学院での研究についてアドバイスを頂きました。彼は私にとって最も身近なロールモデルで、話をするたびに研究へのモチベーションが高まっていったことを覚えています。 

名門大学の博士後期課程に進学した旨を聞いてからは疎遠となっていましたが、「Mさんならもう博士号取っているだろうなぁ」と軽い気持ちで彼の名前を検索したところ、昨春に博士号を取得したのみならず、既に国内の大学で常勤の教員として活躍していることを知ったのです。

インターネットで公開されている彼の博士論文を読んでいるうちに、社会人になってから封印していた「ことば」への想い、そして、私が本当にやりたいことは「『ことば』の探求」だ、という気持ちがムクムクと湧き上がって来ました。

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キャリアを考えるにあたって、「ライスワーク」と「ライフワーク」ということばがあると聞きました。「ライスワーク」は「食べるために行う仕事」、「ライフワーク」は「生涯の生きがいややりたいこと」を意味するそうです。

今は「ライスワーク」のような形でエンジニアをやっていますが、どうやら私は「ライフワーク」寄りの生き方、具体的には、「ことばを探求する研究者」としてご飯を食べていくことにシフトしたいのだと判明しました。

ですが、すぐにキャリアチェンジを図れない事情もあります。まず、私は修士号までしか取得していないため、博士号を取るために大学院に戻らなければなりません。そのためには、博士後期課程での学費も必要です。私事ながら昨年末に入籍し、結婚式の費用も工面しなければならないため、少なくとも今年1年は貯金に専念しなければならないでしょう。

また、当面の「ライスワーク」との両立、および「ライフワーク」の時間の捻出についても考えなければなりません。現在の業務は多忙になりがちなため、働きながら大学院に通うために部署異動もしくは転職を視野に入れる必要があります。

加えて、仕事の合間を縫って本や論文を読んだり、大学院での研究計画を改めて考えたり。すぐに進学出来ないことが少しもどかしいですが、今後の私のために、今年は「準備」の年だと割り切ることにします。

2024年の私は忙しくなりそうですが、心からやりたいことを見つけた今なら、これまで以上に未来に希望を持って頑張れる気がします。