私は、今まであまり夢中になれるものに出会ったことがなかった。正確には、自分自身のことで夢中になれるものがなかった。

志望校も安全圏にとどめてしまっていたし、無我夢中に部活動に励むこともなかった。この私の中高生の頃のぼんやりとした青春時代から知らず知らずのうちに、自分の夢や目標を持ち突き進む人に憧れを持っていたのかもしれない。

私には、中高生の頃から応援しているアイドルがいる。いわゆる「推し」で、自分の頑張りの活力の1つだ。

私は、漫画を読んだり音楽を聴いたりして休みの日を過ごす。インドアなタイプで、1日家から出ないという日も月に何回かある。友だちは、特別多いわけではないが、少ないというわけでもない。小中高大それぞれに定期的に連絡を取ったり遊んだりする友達が何人かいる。

インドアではあるけど、社交性はある方だと思う。交友関係に関しては、今の人たちを大切にしつつ、初めて会う人とも積極的に話すように心がけている。そこから、色々な考えを教えてもらったり今まで出会ったことのないタイプの人と交流したりすることは非常に楽しくて大好きだ。

ここまで見ると、ごく普通の女子大生だと自分自身でも振り返っていてそう感じた。

でも、このタイミングで私は普通の大学生から少しみんなとは違う道に進みたいのだ。

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私は、今大学3年生だ。世間でいうと、就職活動を始めなくてはいけない時期。

就職活動は、3年生の5月頃から始めた。夏ごろから始める人が多い中、少し早い時期での就職活動をスタートした。現在も絶賛就職活動中なのだが、迷いがある。

それは、「大学院に進みたい」ということ。現在、副専攻として外国人の方に日本語を教える日本語教育を学んでいる。

初めは、幼なじみのお母さんが青年海外協力隊として日本語教師を行っていて話を聞いて興味を持ったことから課程を受講した。まだ日本語教育の勉強を始めて2年だが、本当に楽しくて授業が毎回楽しみだ。だからこそ、大学院で更に日本語教育についての学びを深めたいと考えた。

しかし、現実はそこまで甘くはない。私は、高校から私立の学校に通わせてもらっている。高校から私立に行かせてもらっている環境に非常に感謝しているが、我が家は特別裕福というわけではない。

大学院となると、家族も渋るのは予想がついた。母や周りの家族は賛成してくれた。しかし、案の定、父には反対された。父は、少し考えが古いところがある。女が大学院に行くことに疑問を持つことも想定していた。「就職活動からの逃げじゃないか?」というようなことも言われた。

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就職活動は、紙や面接から得た少しの情報を通して、自分を審査される。本選考前のため就職活動が本格化するのはこれからなのだが、今の時点でも自分を否定されたような気持ちになる時もある。何社も何社も受けて、それぞれの会社に自分をアピールする。

実際に、行動してみると想像以上に大変だった。

でも私は、そんな就職活動が嫌ということよりも自分がやりたいことが決まっているのに出来ないもどかしさを日々感じる。やっと自分がやりたいこと、夢中になれることが見つかったのにあと1年勉強するだけでいいのか。

ボランティアとして、働きながら続ける方法もある。しかし、せっかくなら踏み込んでみたいという気持ちは、どんどん強くなっていく。日本語学校でボランティアをした際、難しい発音を言えるようになった時の日本語学習者の方の嬉しそうな笑顔。大学に短期留学に来た台湾の学生さんと交流して一緒に日本文化を学び、仲良くなったこと。思い出せば思い出すほど、より多くの日本語学習者の方と触れ合いたいと思う。

ずっと憧れていた夢や目標を見つける事が出来た気がした。

2024年の私の宣言は、「より日本語教育を極める

まずは、父に私の本気度を伝え、大学院への進学を認めてもらうところから始めたい。他の友人たちが就職活動を進める中で、不安なこともあると思うが、一度きりの人生だ。全力でこの世界に飛び込みたい。