私はいま、私を変えたい。
◎ ◎
2023年の春、私は20歳になった。
とっくのとうに成人にはなっていたのに、急に「大人」を感じた。
20年。
私が生きた時間はまだたったのそれだけ。いや、もう、20年なのか。
人生100年のうちの5分の1を過ごしたのか。
特にこれと言ってなにも得られていない気がする。
毎日、遅めの時間に起きて適当な恰好をして学校に行く。
たまにバイトをいれて、それ以外は家でダラダラ過ごす日々。
こんな人生で良いのかな。
このまま私は、ただただ普通の大学生をして、普通の企業に就職して、普通に生きるのかな、 本当にこの人生で私は満足するのかな。
なんて、ね。
大人ってこんな難しいこと考えなきゃいけないの?(笑)
◎ ◎
そういえば10年前、2分の1成人式をしたな。
大人の私に期待をしていた小学生の私を思い出す。
将来の夢は、なんだっけ。
ピアニスト?キーボディストだっけ。
高校生で沢山友達を作って沢山遊んで、大学も良いところに行こうとしてたな。
社会人になったら、好きな仕事をして、 25歳までにお金持ちと結婚して…(笑)
とか考えてた気がするなあ。
あれから10年。
将来の行く末が見えない20歳になってしまった。
◎ ◎
もともと私は海外に興味があった。
中学生から英会話を始めたくらい、本気で高校生で留学をしようと考えていた。
でも、コロナが私の邪魔をした。
私の高校生活の思い出を全部奪っていった。
文化祭も、体育祭も、修学旅行も、留学も、全部。
誰も悪くない状況に呆れるしかなかった。
諦めて家にいることしか出来なかった。
マスクをしてでしか、友達に会えなかった。
ご飯も一緒に食べられなかった。お話しできなかった。
高校の思い出は、3年間受験に向けて先生たちにしごかれたことくらい。
本当にしょうもない高校生活だった。
なんとなく大学生になったはいいものの、生き甲斐のない日常を送っていた。
気付いたらもう2年生だった。
◎ ◎
そんなある日、お母さんにこんなことを言われた。
「あんたの人生、それでいいの」
ハッとした。
私は、忘れていた。
私がやりたかったこと。
高校生の時、やりたくても出来なかったこと。
忘れていた、?
本当に忘れていた、?
いや、違う。
忘れていたんじゃない。
本当は、逃げていた。
コロナになって私は少しほっとしていたんだ。
留学は心から行きたかった。
でも怖かった。
異国の地に一人で行くのが、怖くてたまらなかった。
コロナを理由に逃げていた。
◎ ◎
私は臆病だ。
一人だと、怖い。環境が変わると怖い。出来ない。
私はいつもそうだ。
新しい環境がすごく苦手。
一人で新しいことをするのが本当に怖かった。
いつも、誰かに頼ってばかりだった。
いつも、助けられてばかりだった。
でも、もうこんな私は嫌だ。
こんな自分は好きじゃない。
大人になったのに、臆病者でいたくない。
やりたいことが怖くて出来ないなんて、嫌だ。
だから、私は、私を変えたい。
◎ ◎
去年の春、私は20歳になった。
大人になった。
大人になった私はもう臆病じゃないから、決めたよ。
2024年の春、私は一人で留学に行く。
私を変えるために。
私を好きになるために。
来年帰ってくる私は、きっと今より強くなれてるよね。