2020年の春、1年という長い月日をかけて手に入れた就職先に入社した。でも、5か月後には退職し今まで以上に幸せになった。
長い間就職活動を頑張ったのに、ふたを開けてみると…
学生時代、新聞記者を目指して就職活動をしていた。結果は全部落ちた。大学4年生の7月で内定ゼロ。やる気も皆無。完全に燃え尽き症候群に陥っていた。
でも同時に、周りの友達はみんな就職先が決まっていたから物凄く焦る気持ちもあった。だから結局7月から歯を食いしばって就活を再開した。その結果、運がよかったのだろうか8月末に内定をもらい、長い就職活動生活に終止符を打った。
でも入社してからは最悪だった。2カ月目までは良かった。新卒なのに入札や省庁案件を任されていたこともあり、むしろ仕事が楽しくて仕方がなかった。
でも7月に上長がマルッと変わってから事態は悪化した。毎日長時間労働、最高で寝ずに18時間半働いたこともある。加えて他の部署の仕事や上長の仕事の大半を一人で受け持っていた。同期や仲のいい先輩、上司に聞いてみたら、みんな自分の業務以外はやっていなかったらしい。
それだけじゃなかった。管理には重要書類を無くされたり、嘘つき扱いを食らったりした。社長は毎日オフィスで怒鳴り散らかし、酷い時には近くにあったモノを投げつけられた。
「この会社マジでヤバイ」
最強のお札「診断書」をもらい、あっけなく退職した
満身創痍だった。いくら疲れていても全く眠れなかった。寝るために度数の高いお酒ばっかり飲んでいた。いわばアル中。他にも頭痛、めまいが続き、呼吸も意識しないと出来なかった。
「あー、たぶんこれ死ぬわ」
享年22歳、死因過労なんて御免だ。とりあえずまずはぐっすり寝たい。
そう思い近所の病院に行った。案の定、ドクターストップがかかった。
「あなた十分頑張ったよ。絶対に退職できるように診断書書くからちょっと待っててね!」
やっと地獄から解放される……。
その発言が良いのか悪いのかは分からないけど、凄く嬉しかった。そしてその日のうちに退職願と診断書をメールで提出した。
すると、上長たちの態度が一気に変わった。今まで体調が悪かろうが根性論を押し付けていたのに、態度は超優しくなった。しかも、今まで呼び捨てだったのに、「さん」付けに変わった。
そして退職願提出から2日後、重要案件のほとんどを受け持っていたが引継ぎは一切なくすぐに退職できた。あまりの速さに開いた口が塞がらなかったが、これ以上誰からも責められないで済むと、肩の荷が下りた。
無理してまで働くもんじゃない。これからは「ほどよく適当に」
体調が完全に治るまで4カ月近くかかった。その間転職活動もしたけど、このままの調子じゃ転職先に迷惑をかけるだけだと思い、いったん転職活動もお休みした。
今思うとそれで正解だったと思う。人間無理してまで働くもんじゃない。誰にだって限界がある。就職活動も全く同じ。自分の心を犠牲にしてまで執着する必要ない。
結局働くのは私自身。つまり私が資本で心身ともに健康じゃないと働けない。
今はもう転職活動を再開するほど元気になった。新卒5カ月で退職したのは不利かもしれないけど、なるようになるさ。
今までみたいに必要以上に頑張るのは止めた。ほどよく適当に頑張ろう。