私はインドア派の大学生だ。休日は家で過ごしていることが多く、予定がない限り外には出ない。そして、家の中で何をするのかというと、「スマホ」をいじるのである。
今や、誰もがスマホを持っていることが当たり前の時代であり、スマホ一つでなんでも出来てしまう。SNSの投稿やオンラインショッピング、動画視聴やゲームなど様々である。そのため私以外にも、スマホを見ていたら気がつけば数時間経っていたという経験のある人も多いだろう。
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ある日、友達とスクリーンタイムの話になった。「最近スクリーンタイムがやばくて、昨日なんて5時間も見ていたの!」という友達の発言を機に、ふと自分のスクリーンタイムを見てみると、1日の平均使用時間は8時間33分と表示されていた。
自分の使用時間を声に出すことが出来ず、その時の私は愛想笑いを浮かべることしか出来なかった。自分の生活がいかにスマホに縛られていたか、この出来事を通して自覚したのである。
それからの私は、スマホを触ってしまう時間を少しでも短くするために、始めに「ベッドに持ち込まない」というルールを作った。いつも寝る前はスマホを見ていたため、ルールを決めた最初の1週間はすごくきつく感じたし、数分だけなら誤差だと自分を思い込ませ、少しだけベッドに持ち込んでしまった日もあった。しかし、このままじゃ昔と変わらないと思い、そこからはルールをひたすら守る生活をした。
すると、少しずつ慣れてきたのか、ベッドにスマホを持ち込まない日々が習慣化してきたのである。徐々に短くなっているスクリーンタイムを見てすごく嬉しくなった。
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しかし、問題はまだある。授業のない休日にはスクリーンタイムが長くなりやすい。寝る前の時間だけを制限しても、せいぜい1時間~1時間半程度しか変わらないのだ。そのため、休日で大幅に増えたら意味がない。そこで私は休日もスマホを触る時間を減らせるよう、積極的に友達を誘ってショッピングに出かけたり、誘えなかった時は一人で少し遠出もしたりした。
外出することで、スマホのことを忘れられるだけではなく体の健康にも繋がり、一石二鳥だった。他にも、習い事を辞めてから触っていなかったピアノを久しぶりに弾いてみたことで、当時感じていた音楽の楽しさを思い出すことが出来た。
スマホのスクリーンタイムをきっかけに、自分が様々な面で成長出来た気がした。
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スマホの使用は楽しいことだけではなく、ネット上の人間関係などでイライラすることもあった。手放すことを決める前は、スマホに感情をコントロールされていたのだと思う。
でも今の私は違う。
スマホに支配されず、有意義な1日を過ごしている。
私たちは、今のままでは良くないと考えることは簡単である。しかし、その後きちんと行動に移さないと何も成長できないということ。立ちはだかる困難を乗り越えることがすごく大切なのだと気づくことが出来た。この経験が、今後私の人生に影響を及ぼすだろう。