このエッセイが公開されるころにはもう2024年が幕を開けているのだろうが、現時点での日付は12月28日だ。

世の中は年末の様相を呈してきた。平日の日中の人通りが増え、飲食店も混み合う。スーパーにはかまぼこや数の子が多く並ぶ。私の友人たちも次々と仕事を納めているようで、帰省したり旅行に行っている様子がSNSで見られる。

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私自身も本日の仕事は休みで、朝からエラにボトックスを打ってきたところだ。

では、今日から大型連休が始まるのというと、残念ながらそうではない。今日と明日休んだら、30日は出勤しなくてはならない。そして31日と1日に休んだら、2日からまた出勤だ。次は7日まで休みはないし、その休みにしたって1日だけ。

私が働いている職場は、シフト制だ。それなら仕方ないじゃないか、と思われるだろうが、そうとも言いきれないのが今年の状況なのだ。

シフト制といっても内勤の仕事なので、普段よりも1日あたりの出勤者数は絞られている。仕事自体が年末仕様で少なめに設定されているのである。そのため、基本的にはみんな年末年始付近で連休をとることになっている。

休み希望は各自で書き込むことになっているのだが、今年は特に予定が無かったため、何も書かなかった。どこでもいいから適当に休みをつけておいてくれ、という気持ちだった。去年もそれで8連休くらいついていたので、特に不安はなかった。

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しかし、これが良くなかったのだ。結果として出てきたシフトは、28日、31日、1日以外は全て出勤という恐ろしいものだった。あとからお願いして29日は休みにしてもらったのだが、だとしても最大で2連休なことには変わりない。とても年末年始とは思えないスケジュールだ。そして、他の週で代わりに休みがとれるかというと、そういうわけでもないのだ。スーパーなど年末年始がかきいれ時の職場だと、そういう態勢がデフォルトなのだろうが、うちの職場は違う。まあ、有休を申請すれば個人的に休みは取得できるけど、それはまた違うよな、と思う。皆が当たり前に休んでいる期間に一緒に休むのと、1人だけ休ませてもらうのでは、気の持ちようが違う。

それでも、忙しいのなら、まだ分かる。人手が必要なのだな、と納得できる。
けど、まっっっったく忙しくないのだ。私だけでなく、部署自体が、全然忙しくない。

私が所属している部署では、最近、担当していた業務の一部が減った。それに加えて、年末仕様で仕事量が絞られているため、人が余りまくっている。

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どれほど暇かというと、一昨日は上司から「15時まで昼休憩行ってきていいよ」と告げられたのだ。12時の時点で。つまり、3時間の昼休憩が爆誕したのである。そして同じことを告げられている人が、私の他にも居た。いかに人が余っているか、改めて体感した。

要するに、休んでも全く問題ない状況なのだ。

なのに、なぜ、2連休しかついていないんだ!?!?

考えれば考えるほど、分からなくなる。しかし特に予定があるわけではないし、休み希望を書いていなかった私も悪いので、表立って文句も言えない。

自分に長い休みが無いせいだろうか、世の中の「年末年始ムード」がやたらと目につく。例年よりも、それを楽しんでいる人たちが視界に入る気がする。手に入らないものがあることで見えてくるものってあるんだなぁ、と思う。この場合、全然嬉しくはないのだが。

とりあえず、仕事は納まっていないけれど、ちょっと美味しいものを買って帰ったり、コスメを爆買いしたりして、年末感を自ら醸し出している。今年の私は、そうでもしなくちゃ年末を感じられないから。