あなたは私にたくさんの世界を教えてくれました。一緒に学校さぼって海へ行ったり、授業中に回し手紙したり、いつも放課後行く河川敷ではいくつもの夕日と君が教えてくれたタバコの吸い殻を見ました。あの日カラオケ屋でチューしてた時、店員さんにノックされたよね、まあうちらやめてなかったけど(笑)。今だったらそんなことできないわ。

あなたは私が初めてあらゆる面に愛情を抱くことができると思えた人でした。あなたはいつも優しくて、私を笑顔にしてくれて、色んな話をしてくれて、でも、いつも危ない道に行こうとするんだよね。なんでなのって今でも思う。何回それで喧嘩したことか。

将来はこうなりたい、あんなことしたい、ここに旅行に行きたい、君の話す「将来」にはいつも私を入れてくれてました。私も全部君中心で全部考えてたんだよ。

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あなたは少し目を離した隙に、危ないことしようとするから、正しい道で生きてほしいと思ってたから、あとから後悔してほしくないから、私はいつもあなたに無理なお願いをしていました。きっとあなたもいつか考え直して、やめてくれるって期待してたけど、いつの間にかあなたを縛りつけてしまっていた。あの時は本当にごめんなさい。高校生から大学生への、子どもから少し大人になる期間、一緒にいるのは難しかったね、辛かったね。 

別々の道を歩むようになって約2年、君にも私にも大切な人ができたね。私もその人が今もとっても大切です。でも、約2年の間に、数人と恋をして、色々な経験をしてきたけど、どうしても、あなたと一緒に経験した数知れない「新しい世界」が消えなかった。一緒に聴いた曲をプレイリストにして流したり、一緒に作った創作ご飯を一人で作ったり、過去の会話を見返したり、昔の記憶を辿って感傷に浸る時間もあったりする。窓から花火が見えたあの日には「花火」を聴きました。あなたもそんな夜はありますか?毎日何をして、何を食べて、何時に寝て、何時に起きているの?こんな風に気になってしまう私ってホント成長できてないよね。お花屋さんでダリアを見つけると、必ず買っています。誕生日違うのに、誕生花同じって、ほんとに気持ち悪い(笑)。

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半年に一回くらいは、共通のコミュニティでの集まりがあるから、会って話したね。お互い本当に大切な人だよって。私もあなたの幸せを心から願っているよ。誰かの幸せを心から願えることって、あまりないと思う。そんなことを思いながら、私は相変わらず、白い彼岸花の待ち受けと共に生活しているよ。

成人式の後、二人で飲んだ時、「忘れられない」とあなたは言ってくれたけど。嬉しかった。ほら言ったって感じだった。正直、私のことは一生忘れられないと思うよ。あなたの腕と胸には、新しくタトゥーが入っていて、その意味をきいたら、「愛犬の誕生日」と「おじいちゃんの誕生花」って。いい意味でも、悪い意味でも、本当に変わってないね。そういうところ、本当に愛していたよ。だけど、私もあなたも変わってないから、今一緒になってもきっと、ハッピーエンドは迎えられないって思うの。私っていっつも直感で動くでしょ?だから、終電間際に私の手をつかんできた君の手を振り解いたんだよ。

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何が一番言いたいかなって考えたけど、わかんないなあ。語彙力のない私の言葉で、ここまで思いを綴ってきたけれど、あまり伝わってる気がしない。

んーなんか最近本で読んで心に残ってるけど、人は日々の暮らしの中で季節の移ろいを忘れていても、ちゃんとその時が来ると花開くんだって。

春は桜を見に行って、夏は毎週海に行ったね。秋には帰り道に焼き芋を半分こして、冬は、黄色の屋根のラーメン屋の前で小さな雪だるまを二つ作って寄り添わせたね。ほらまた、思い出を辿って季節を蘇らせてる。うちらが本当に「運命で結ばれた関係」なら、また、運命に呼ばれる日まで、それぞれの場所で花を咲かせよう。

今は午後五時を回ったとこ。部屋の片隅で夕暮れの日に照らされたダリアは深紅から紫に見えるよ。あの高貴な匂いを香らせながら、私の方を向きました。

敬具