メッセージアプリの返信は、私の中でひとつだけルールを作っている。それは、日付が変わったら返信しないこと。私なりに相手のことを考えて、常識の範囲内だろうと思って決めたルール。相手には強要しない。

私に入ってくる通知は、いつ何件入ってきても構わない。自分に入ってくるメールは、むしろ件数が多く入っていると少し嬉しくなるほどである。相手が私に返信することに関しては、気分の赴くままに返してもらったらいいと思っている。

いつ作ったのかは覚えていないくらい昔に作った決まりごとだが、今もしっかり守っている。もちろん、緊急時など例外もあるけれど。

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なぜ日付が変わったら返信しないというルールを作ったかというと、社会人が多用するビジネスメールが関係している。

ビジネスメールに使われる常套句「夜分遅くに失礼します」は、一般的に22時以降の時間帯で使われるらしい。私たちが就寝するであろう時間帯に、わざわざ連絡を入れるためのことわりだ。

社会人としてわきまえていても、友達となるとそうはいかない。どれだけつまらない内容でも、パッと思いついた内容や文章をポンと送信する。送ること自体はいいのかもしれないが、問題はここから。

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アプリの設定上、ピロン、と着信音が鳴るように設定している人がいることである。着信音が鳴ると、自ずと目が覚めて携帯を触ってしまう人もいるだろう。私の連絡はそれほど重要でないことが多いので、朝起きてから会社員が返信をする時間くらいに合わせて返信をするのがマイルールだ。相手のことを慮ってのルールである。

理由はもうひとつある。実家で暮らしていた時、夜遅くに親のスマホが鳴った。親世代は、スマホの通知音が大きく設定してある気がする。夜遅くということもあり、一緒にいた部屋での聞こえ方が大きかったのだ。それだけ大きな音が鳴れば、静かに過ごしている時間帯はきっと音が気になってしまうだろうと思う。

さらに、私は大きな音があまり得意ではない。ビクッとしてしまうことが多い。音などの感覚に敏感な人でもあるので、夜は出来るだけ静かに過ごしたいと思う気持ちが働いているのかもしれない。 

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こういうと、聞こえが良いように捉えてしまうが、私が返信にとらわれないためでもある。チャットでのやりとりは、人に期待をさせて、気遣いをさせてしまうツールだから。気分を害する内容を送っていないだろうか、などと勘繰ってしまう。

リアルタイムで返信していたときには、今すぐにでも相手の返信が来るのではないかとスマホから離れられなかった。やり取りが続けばそれだけスマホを手放しにくくなるのである。

過去には自分も同じ経験をしたため、時間を決めて、返信に縛られないようにしたのである。既読にするときは、必ず返信をするとき。夜間の連絡は翌朝にしかできないので、既読をつけたら必ず返信をするようにしている。既読無視はしないように、しっかりみていることを相手に伝えることで、伝わっているとアピールするようにしている。果たして、これがどのくらい相手に届いているのだろうか。 

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きっと、わずかに届いていたら良い方だろう。それでも私はめないし、これからは一層配慮をしていくだろうと思う。社会人もそろそろ中堅に差し掛かる年。考えも大人にならなければいけないな、と思う瞬間も増えたのだ。ビジネスメールも、友人との他愛もない会話も、親しき中に礼儀ありだ。

SNSにおける私の唯一とも言えるこだわりは、日付が変わると返信をしないようにしていること。既読にするときは返信をするときだが、夜遅くに相手の通知音を鳴らさないようにする配慮。実家にいた時の実体験をもとに考えた私なりの礼儀である。いつかたった1人でも、この配慮に気づいてくれる人はいるのだろうか。もし気づいてくれたのなら、その人はとても気が利く人なのかもしれない。