私の視界を広げたものは、大学入学時に、英語の授業で偶然に隣の席になった私の親友である。初回の英語の授業、グループごとに自己紹介をする時間に、私を含めた学生は、誰から自己紹介するか悩み、一番初めに発表することを躊躇し、誰も自己紹介を始めようとしなかった。しかし、そのような中で、私の親友は、「はい!じゃあ、私から始めるね」。と、元気よく、自己紹介をし始め、彼女のお陰で、無事に全員の自己紹介終えることができた。

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その後、近くの人と話す時間になり、彼女の席と隣であった私は、彼女と話すことになった。彼女は、東北出身で、関東地方で育った私とは、全く異なるような学校生活や、家族、友人の話を、初めて聞くような方言を交えながら、私に話してくれた。彼女の話が私にとって、とても新鮮で、飽きることがなく、生きている時間は、同じであるのに、こんなにも生い立ちが異なるのかと驚くとともに、自分であったら、考えないようなことや行動をとる、正反対な彼女にとても魅力を感じた。

そして、授業の回数とともに、彼女との距離が縮まり、大学で、お昼を食べる、行き帰りをするなど、大学で過ごす時間のほとんどは、彼女と共に過ごすようになった。そのような中で、彼女は、常に笑顔に溢れ、自立心のある強い女性であり、また、私に、勇気をくれる存在であると感じるようになった。

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あるとき、彼女は、バイト先で、理不尽なことから、お客さんに怒鳴られ、お金を投げつけられたという話をし始め、「もうほんとに、あの時はびっくりしたよ」と、やや困りながら笑っていた。「私、中国語話せるようになりたいから、レッスンを週末にいれてやってみたけれど、ぜんぜん上手くいかなかった、でも、いったん続けてみるわ」と意気込んでいた大学の帰り、「この資格をとろうかなって考えてて、このまま図書館で勉強していくね」と言っていた彼女と過ごす日常を振り返ると、マイナスなことや理不尽な出来事があったとしても、すぐに気持ちを切り替え、常に笑顔で、やりたいと思い立ったら、失敗を恐れずに何事にも挑戦し、努力を惜しまない彼女の姿を、私は、徐々に友達ながら尊敬するようになった。

そのような姿をみて、私は、高校1年生の頃、チャンスがあったものの、勇気が出ずに行くことができなかった留学を去年の夏に行くことができた。留学へ行けた理由として、一番に、彼女の励ましの言葉があったからと強く感じる。以前の私であれば、新しいことや挑戦に対する不安感、何か壁にあたると、そこでとどまり、なかなか前に進めず、時間ばかりが過ぎさり、諦めてしまい、また、まだ起きてもいない失敗や不安などマイナスなことを考えてしまっていた。しかし、彼女に、留学について相談をすると、「ぜったいに楽しいし、何をそんなに迷っているのか、行ける機会があるなら挑戦するべきだよ」と、背中を押してくれた。

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また、以前、彼女が私に言った、「昔の失敗やまだ起きてもいない未来への不安を考えるよりも、今、このときを楽しんだ方が人生、上手くいく気がする」という彼女の言葉が、不安や躊躇いを打ち消すように、私の心を軽くし、自分にも挑戦できるのではないかと、気が付くと、彼女に勇気をもらっていた。

親友の常に笑顔で、失敗を恐れることなく、努力を惜しまない姿や私にかけてくれる、明るく、ポジティブな言葉は、私を動かす原動力であり、新しいことへチャレンジする、なかなか動かない私の一歩を、動かしてくれるものであるとともに、私の視界を大きく広げてくれる存在である。