私にとって離婚は馴染みがないものだった。
親族を見渡しても、3組に1組が離婚すると言われてるなか、離婚経験者はおらず、伴侶の死別経験者のみである。

1年ほど前、離婚経験のある人とデートする仲だったときがある。 

その男性は会社の先輩が紹介をしてくれた。 バツイチだが子どもはいないという理由で、紹介してもらうことが決まった。私はこれまで、知り合いが離婚経験があるということはたまにあったが、自分がバツイチの人とデートしたり、結婚する未来は想像していなかった。
その男性はありがたいことに、私と結婚したいと言ってくれた。
そのようにアプローチされると、私も真剣に考えなくてはならないと思い、積極的にコミュニケーションを取ったし、1ヶ月に3回デートした。

その頃の私は仕事に追われていた。ちょうど仕事では、産休に入った先輩の業務を引き継ぐことになり、新しいことも覚えなければならず、とても忙しくなった時期であり、誰かに支えてほしいと思っていた。
彼は既に一度結婚しているので、結婚まで手探り状態ではないというところに安心感を覚えた。定期的に会えるし、そのときは私の家の近くまで来てくれる。仕事をがんばっている人が好きだと言われ、仕事に忙殺されている毎日であったので救われた気がした。

◎          ◎

しかし、一緒に過ごす時間が長くなるうちに、なんとなく私に寄り添うというよりは、思い通りに私をコントロールしようとしている節があることに何度か気付いた。

彼は私と結婚したいと言うけれども、前の奥さんとなぜ別れたのかに関しては、詳しく説明してくれなかった。
それに彼はすでに家を購入していた。 順当に行けば私もその家に住むことになるであろうが、私の職場までは3時間近くかかり、通勤は現実的ではない。それに前の奥さんと暮らしていた家ということに関して、何かもやもやしなかったわけではない。
できれば新しい家に住みたいが、金銭的なことが絡んで来そうだと、ローン云々には詳しくないながらに思った。

私の意志や気持ちが尊重されなくなってきたことが引っかかり、なんとなく前の奥さんの気持ちがわかった気がして、これ以上仲を深めるのはやめようと思った。結局、その男性とはただの知り合いに戻った。
仕事が落ち着いた今であれば、口先だけで具体性がないと言って一蹴していた可能性もある。前の奥さんの二の舞いになるかもという考えも過ったこの時が、一番離婚を近くに感じた瞬間だったかもしれない。

◎          ◎

年を重ねてくると離婚が身近になってくる。
つい先日久しぶりに飲んだ同期が、「夫と子供を持つかどうかで意見が食い違っている。子供がほしいのは夫の方なので、早く解放してあげた方がいいかもと思い、離婚を切り出そうか迷っている」と言っていた。
結婚のステップが早かった人は、離婚を考えるのも早いのだと漠然と思った。
離婚が身近になったように感じるが、私の場合、離婚を経験するためには、まず結婚しなくてはならない。
しかし、離婚するために結婚するわけじゃないし、離婚したいわけでもない。

結婚は1回きりでいいのだ。1回だけ、1人だけと結婚がしたい。
まずは離婚をしないために良い人と結婚することを目標にしたい。