気の置けない友人ならまだしも、友人や同僚同士や初対面同士の集まりで、集合時間ギリギリにやって来る人って、たいてい人見知りなんじゃないか?と私は密かに思っている。実際、私自身もそうだ。

◎          ◎

山手線に乗って渋谷にむかう。それは、オンラインの副業で数ヶ月間一緒に働いていた同世代の女子たちで、はじめて渋谷で集まりランチをすることになったからだ。これまで、オンラインで仕事だけでなく恋話や自身の性格についてなど、女子同士で何度か話したことがある仲間たちだ。

それでも、こうして初めてプライベートで会うとなると、やはりどこか緊張する。朝から、どんな服を着て行こうか、どんなヘアスタイルにしようか、何時に家を出ようか、どこか忙しない。

私は、たいてい集合時間の3分前に着くように電車を選んで行く。本当は、もし電車が遅れて集合時間に遅れたら嫌だという思いはあるものの、だからといって集合10分前に着いて、誰かと雑談して他の子が来るのを待っているのは、内心もっと躊躇したりする…。そう。人見知りの私は、親友以外と「雑談」といものがなかなか出来ないのだ。

◎          ◎

親密になれば、友人や恋人とは、なんでも包み隠さず話せる。でも、そこまでの関係性にいたるまでに、目の前の相手と何かしら話さなければいけない。相手がどんな内容だと興味があるのか、どんなリアクションを暗に求めているのか、それに対し、私はずっと聴いていられるものなのかなど、雑談一つとっても頭を使う。

なにか共通の話題があればスムーズなのだが、あまりに関心ごとが違ったりすると、お互いに話してても疲れてしまう。実際、どこかそれ以上の関係性を築けていたら、話題の嗜好が違っても問題ないのかもしれないが…。

◎          ◎

「トピックをもて」「本やニュースを確認しろ」と一度、アメリカ人の友人に言われたことがある。それ以来、私は自分の興味のあるコミュニケーションだったり、異文化だったり、人間関係だったり、愛着や心理だったり、などの専門的な本を読むことからはじめてみた。

積極的に知らない人の話を聞いたり、話したりするのは疲れてしまうタイプなので、自己完結できる読書から始め、そういった話題がでれば、知識や考え方を共有できるように私は地味に読書をしている。

◎          ◎

最近、読書好きが高じて、まだ多くの人の目に留まっているわけではないが、知る人知る「良書」を見つけだし、北海道にある「いわた書店」ではないけれど、友人に、その人の「今」にあった本をお勧めできるように毎日読書や読書記録を続けている。

以前だったら、一人旅をしていった先の感想をいいあったり、逆にお勧めしたりしていたが、皆が皆旅行好きでないと知り、最近は読書生活を送っている。

読書から紡ぐ人間関係。人見知りの私は、趣味を通じて人間関係を徐々に耕していきたいと思っている。