エッセイ掲載ページの著者プロフィール欄に私は、「心理学と教育学を専攻している大学生。通信制高校卒業→通信制大学入学の根っからの不登校」と書いている。私は、根っからの不登校を受け入れることで、生きることが楽しくなった。

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私は、小学校高学年の時に、月経困難症と起立性調節障害をダブルで発症した。月の半分以上は遅刻、早退、欠席のどれか。当然、中学校1年目から登校日数よりも欠席日数のほうが多い状態。2年目からは、症状の悪化とモチベーションの低下により、登校することをやめた。高校はプロフィールにもあるように、通信制を選び、大学も通信制を選んだ。私の場合は、自分で大学の学費を負担しているため、働きながら大学生をしている。もちろん、働き方は在宅ワーク。根っからの不登校で、根っからのひきこもり。

最初の頃はもちろん、多数派の普通に憧れ、コンプレックスを抱き、自分の生き方に自己嫌悪していた。高校卒業後に専門学校に進学し、脱不登校を目指した時期もあった。もちろん、体調とメンタルが悪化し失敗に終わったのだが……。そして、通信制大学生になった頃、脱ひきこもりを目指し、夕方の時間から勤務できる塾講師として働き始めたこともあった。ブラックすぎて1年もたたずに辞めてしまったが……。普通を目指して挫折するたび、自己嫌悪は悪化していた。

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あまりにも挫折しすぎた私は、次の挑戦が怖くなり、普通を目指すことを諦めた。自分があまりにも社会に適応できず落ち込んだ。そして、これが最後の挑戦と思い始めたのが在宅でできる仕事だった。あんなにも社会に適応できなかった私が、いきいきと働くことができている。

現在の私は、自室のPCの前で1日を過ごしている。通信制大学のオンライン授業を受けたり、任された仕事をこなしたり、私自身は充実した毎日だと思っている。周りから見ると、1日中PCの前にいるひきこもりなのだが……。

そんな私だったが、在宅ワークで働いた給料で貯金ができるようになってきたころから少しずつ考え方が変わった。「周りの目を気にするのなんてあほらしい」と思うことができるようになっていた。そもそもだが、1日のほとんどを家で過ごす、ひきこもりの私を目撃する周りの目なんてほとんどない。私を目撃しているのは、スーパーのレジの人か、コンビニのレジの人か。せいぜいその程度なのに、なんで今まで気にしていたのだろう。コロナの影響で在宅で働く人も増え、世間もそれを認めてくれている。私自身、会社に出勤して働く人と同じくらいの給料はもらえている。どうして、そんなにも自己否定していたのだろう。

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結局、周りの目というのは自分自身なのだと気づいたのだ。他人と比べ、他人と同じでないことを許せない自分が周りの目の正体だったのだ。自分の選択や特性を、自分自身で認めてあげられるかどうかで、同じことをしていても人生の幸福度は大きく変わることに気づいたのだ。

今の私は、堂々と自分のことを根っからの不登校と宣言できるし、挫折した経験も人前で語れるようになった。何も恥じることはない。今まで一生懸命生き抜いてきた自分のことを誇りに思う。

そして私は先日、卒業生として、母校の高校生たちの進路相談に参加してきた。卒業生は身近なロールモデルなので、私自身の高校卒業後の挫折や失敗談も赤裸々に話してきた。そして最後に、「いろんな生き方があっていいじゃない。自分の生き方に自信をもってね」と伝えて締めくくった。

これから進路を決める人も、今の進路で悩んでいる人も、自分のことを自分自身で肯定してあげてほしいと思う。