私は4年前子どもを出産して母親になり、翌年育児休暇が明けたタイミングで職場復帰をすることになった。製造業で工場勤務、勤続年数は今年で丸15年を迎えた。

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子どもを産む前の私は、残業や休日出勤をこなし自分で言うのもおかしいがバリバリ働いていたほうだと思う。そして上司から任せられる仕事も多く、機械や製品と向き合う日々だったがやりがいを感じていた。そんな私は出産を機に仕事との向き合い方に戸惑うことになった。

まずは、保育園の洗礼というものだ。周りの同僚を見ていて分かってはいたが、本当に早退欠席のオンパレード。風邪を引き辛そうな我が子をかわいそうと思いつつも、内心仕事のことが気になってしかたなかった。以前は「できる人がやるから無理しなくていいよ」と思っていたのに、今は「仕事だから休めないよ」なんて子どもに言ってる自分がいたのだ。

同じ境遇の同僚たちも口をそろえて言っている。私は思った「いや、母親が毎回休むって誰が決めたの」って。でも私は、世の中には家族ファーストの父親がたくさんいること知っている。分かってはいるけれど、母親が自然と休む流れになっているとしか思えない。実際、職場で子どもの体調不良を理由に休む男性を見たことがないのだから。

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そして、残業休日出勤問題だ。これが私には1番堪えた。製造業は、残業休日出勤があって仕方のないことなのだと思う。毎日残業している人たちを見て申し訳ない気持ちになる私と、子どもを理由にして自分を肯定してしまっている私がいる。私は「仕事はやりがいを感じるから多少無理をしても頑張りたい」とも「今は子どもが小さいから無理してまでは働けない」とも決めきれず、中途半端な気持ちでいたのだ。

できる日だけでも残業しようとしたが、帰り際に慌ててしまったり、帰宅後も気持ちに余裕がない日が続いた。そんな不安定な私を見かねて、周りは「無理しなくていいよ、早く迎えに行ってあげてね」と言ってくれるのだ。良かれと思って言ってくれたことなのに、私は自分が使えない人間なのだと思ってしまい負のループに陥った。

「そんなのお互い様ですよ、私もめちゃくちゃ休むし、あなたがいると何かあったとき頼りになる」落ち込む私に、同僚はいつもみたいに笑ってそう言ってくれた。お互い愚痴や悩みを話し合える同僚がいて、私は幸せ者だと思う。

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職場復帰をして3年が経つが、いまだに悩みながら働いている。私と仕事と子ども、どうやって向き合っていくのが正解なのか模索中だ。でも、以前の私より前向きに物事を捉えられるようになった。会社の考えに腹が立つことも正直あるけれど、今の私は「負けてたまるか」と自分を鼓舞することができる。

例えば帰りが遅くなるより、朝少し早く出勤して仕事をする。保育園のお迎えに行って帰宅してから、ご飯を作るまでの少しの時間に余裕を持って子どもと向き合う。でも朝は朝で戦場のような慌ただしさだし、夜も寝るまでノンストップで走りきる。

これからもつまづいたり立ち止まることがあると思うけれど、周りと支えあいながらお互い様で乗り越えていきたい。これが仕事も育児もどっちも欲張りたい私のやり方なんだと思う。